「何度、農薬やロープを持ち出したことか…」“頂き女子りりちゃん”に3800万円を騙し取られた50代男性「月給20万円」「自宅はゴミ屋敷」の困窮生活
貯金は80万円、固定資産税を払うのにも一苦労
渡辺被告が逮捕されてから1年半。なんとか仕事は続けているが、生活は困窮を極める一方だという。仕事は医療関係で月の手取りは20万円ほどだ。
「大切な老後資金を全て失い、将来への不安が絶えない。彼女が貢いでいた元ホストが1800万円を弁済したと報道されていますが、あれは別にいる被害者に対してで私には一円も入ってきていません」
他界した両親が建てた家だけが残ったが、
「固定資産税を支払うのにも苦労しています。貯金は80万円ちょっとあるくらい。お金を取り返そうと思っても民事訴訟を起こす財力すらない。人生に絶望してロープや農薬を取り出してことも1度や2度ではありません」
そんなAさんが期待をかけるのが、渡辺被告の支援者が取り組む「渡辺真衣支援プロジェクト」である。
支援者は今年9月からnoteで獄中手記を1話300円で販売。書籍化する計画も進めているという。6月と10月には、都内で渡辺被告の近況を報告するイベントを開催した。いずれも〈収益は弁済活動に充てる〉としているが、Aさんは「一円たりとも私にはきていない」と話す。
一言の相談もなく「被害弁済プロジェクト」は始まっていた
そもそも一言も相談・報告がないままこれらの取り組みは始まっていたという。
「立件された被害者は私を含めて3人しかいませんのでおかしな話です。ネットで気づいて支援者たちに私から連絡を取りましたが、無視されたり心無いことを言われました。弁済会社の代表者でもある弁護士にはこちらから連絡してようやく話が出来ましたが、どう弁済していくかなど具体的な話はなかった。『来年3月ころには…』とは言うのですが曖昧な言い方で本当に弁済を受けられるのか甚だ怪しいのです」
10月にはクラウドファンディングによる映画化も発表された。こちらの告知文にも〈被害を受けた方へのご相談を行いながら、加害者や関係者への綿密な取材を慎重に進めてまいりました〉と書かれているが、これについてもAさんは「一度も連絡を受けたことがない」と言う。
だがプロジェクトに疑念を抱きながらも「期待している」と語る。
「というか、これしか金を取り返す手段がないからです。このプロジェクトが潰れてしまったら私にはもうすがるものはない。彼女には弁済する力がありませんから」
そして新たな動きがないかネット上をチェックするうちに、さらに精神的に落ち込む悪循環に陥ってしまうというのだ。
「獄中日記を読んでいると、スター気取りで自己憐憫の弁を繰り返す彼女に吐き気がします。そもそも彼女からは一度も謝罪を受けていません。こちらから2度も手紙を送っているのに無視されたまま。ネット上には『パパ活していたんだから当たり前だろう』みたいに被害心情を踏み躙る言葉も散見されます。私は男女関係の見返りを求めてお金を支援していたのではありません。詐欺にあったのです」
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