「令和ロマン」連覇は見事、しかし“小粒な審査員”が…2024年「M-1」にテレビマンが苦言

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 12月22日、20回目を迎えた「M-1グランプリ」(テレビ朝日・ABCテレビ制作)が開催され、令和ロマンが過去最多となる1万330組の若手漫才師の頂点に立った。しかも、史上初となる2連覇。さらに、昨年同様、不利と言われるファーストラウンドのトップバッターからの優勝という快挙に、番組は大いに盛り上がった。しかし、業界のプロが見ると苦言もあって……。

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 民放プロデューサーは言う。

「優勝した令和ロマンはもちろん、ファーストラウンドで1位となったバッテリィズのしゃべくり漫才は、これぞ漫才と言える出来で懐かしくも新しかった。今後、バッテリィズもバラエティ番組に引っ張りだこになるでしょう。彼らをはじめ決勝に進出した漫才師たちのレベルは高く、面白い大会だったと思います」

 視聴率は18・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)だった。

「18時半から22時10分までおよそ3時間半の放送で20%近い数字ですから上出来でしょう。もっとも、実際に決勝ファーストラウンドが始まったのは番組開始から45分後の19時15分。過去の大会や今回の予選などを振り返るオープニングのVTRがさすがに長すぎました」

 20回目の節目の大会ということもあるのだろう。「M-1」の創設者で審査員を務めた島田紳助(68)から寄せられた「いつまでもM1が夢の入り口でありますように」との直筆メッセージも映し出された。

「このメッセージがあったため、余計に今年の審査員の“小粒感”が強調されたように思います」

審査員9人体制に

 今回の「M-1」で大きく変わったのは審査員の顔ぶれだろう。ダウンタウンの松本人志(61)はじめ、山田邦子(64)、サンドウィッチマンの富澤たけし(50)もいなくなった。その代わり、オードリーの若林正恭(46)、かまいたちの山内健司(43)、そしてアンタッチャブルの柴田英嗣(49)の3人が新たに加わった上、2015年の第11回大会で審査員を務めた笑い飯の哲夫(49)とNON STYLEの石田明(44)が復帰。16年から続いてきた7人体制から9人体制となった。

「9人中6人が40代となり、若返りが図れたのは悪くありませんが、いわゆる“天下を取った大物大先輩”がいなくなりました。オープニングのVTRには松本さんや上沼恵美子さん(69)が評論する映像もありましたからね」

 中田カウス・ボタンの中田カウス師(75)、オール阪・神巨人のオール巨人師(73)も今はいない。それでも引き続き審査員を務める中川家の中川礼二(52)は初代チャンピオンだし、博多華丸・大吉の博多大吉(53)は『M-1』が中断時の2014年の『THE MANZAI』で優勝している。海原やすよ・ともこの海原ともこ(52)は上方漫才大賞を2度も優勝している実力者。ナイツの塙宣之(46)は一般社団法人漫才協会会長の会長だ。

「今回から新たに加わったオードリー若林、かまいたち山内、そして2018年から審査員を務めているナイツ塙は、『M-1』でいいところまで行っていますが優勝はしていません。彼らがお笑い芸人の一生を左右する優勝コンビを選んでいいのかというモヤモヤした気持ちも湧いてきます」

 だとしても、彼らの採点は納得のいくものだったのでは?

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