年末年始に「闇バイト」が狙う「マンション・アパート」 最上階でも危ない…「空き巣」がターゲットにする部屋の“典型的な特徴”とは

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対策の第一は…

“タタキではなくて空き巣だから、人が家にいない。暴力を振るう必要もないし強盗にもならない”。そんな誘い文句で「闇バイト」実行役が集められるのではないか……そう小川氏は危惧している。強盗から空き巣へと「案件」が変化すれば、当然ながら、我々が取るべき対策も変わってくる。具体的に言えば、これまでは住民が在宅している一軒家が狙われていたが、これからは、住民が不在のマンションやアパートもターゲットになりうるという。重要な対策は第一に施錠だ。

「意外と鍵のかけ忘れが多いのです。ドアの鍵は必ずかけるようにしてください。1階でなくとも注意が必要です。プロの泥棒は2階でも平気で入ってきます。何階であっても、窓を開けたままの外出は厳禁です。高所侵入といって、建物の上から降りてくる手口もあります。小動物を飼っているからといって、出かけるときに換気のためにバルコニー側の窓を少し開けておくのは危険です。5階以上なら安心、といって窓を開けている場合もあるようですが、そういうところが狙われやすい。間違いなく年末年始は泥棒が増えますし、それに乗じて闇バイトも増えるでしょう」

空き巣が嫌がる4つのこと

 小川氏は「目」「光」「音」「時間」を意識することが重要だと説く。強盗も空き巣も、この4つを嫌がるのだという。「『音』でいえば、歩くと音のする防犯砂利、『光』でいえばセンサーライトが有効」。窓ガラスに防犯フィルムを貼れば、空き巣侵入までの『時間』を稼げる。そして『目』としては玄関前の防犯カメラだけでなく「リビングが引きで映るようにできますし、外出時もスマホで確認できます」という理由から、室内用のペット見守りカメラが防犯に役立つという。空き巣が映っていたらすぐに110番通報することができる。

 そして小川氏は最後に、未だに「闇バイト」に応募しようとしている者たちに「『闇バイト』というバイトはない」と呼びかけた。

「『闇バイト』は全て犯罪だということを認識してもらいたいです。そして、もし間違って応募してしまっても、気づいたら引き返す勇気を持つこと。指示役から集合場所なんかが送信されてきたら、さすがにこれはやばい、と分かるじゃないですか。そうしたらもう集合場所には行かず、警察に飛び込んで保護してもらう、そういう勇気を持たないと取り返しのつかないことになります。マイナンバーカードや免許証、実家の写真などを指示役に送ってしまっているから報復が怖い、という気持ちがあっても、警察に飛び込めば、被害者として保護してもらえますから」

高橋ユキ(たかはし・ゆき)
ノンフィクションライター。福岡県出身。2006年『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』でデビュー。裁判傍聴を中心に事件記事を執筆。著書に『木嶋佳苗劇場』(共著)、『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』、『逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白』など。

デイリー新潮編集部

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