「ふてほど」を押さえてまさかの「見逃し配信」年間トップ! 事務所倒産の「お騒がせ女優」が不倫を演じた“ドロドロドラマ”とは?
ビデオリサーチが12月22日の“視聴率の日”に先んじて、2024年の「見逃し配信トップ10(全ジャンル)」を発表した。第1位に輝いたのは、流行語大賞を取った“ふてほど”こと「不適切にもほどがある!」(TBS)でも朝ドラ「虎に翼」(NHK)でもなかった。
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【写真をみる】“地上波ギリギリ”の不倫シーンを演じた「お騒がせ女優」とは?
2024年の見逃し配信の第1位は、1月期に土曜ナイトドラマ枠で放送された「離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―」(テレビ朝日)だった。原作は漫画家・大竹玲二氏 によるコミックで、元放送作家の鈴木おさむ氏が地上波の連続ドラマで脚本を手掛けた最後の作品だ。主演はチビノリダーこと伊藤淳史(41)。なんとも意外な気がするが、民放プロデューサーは次のように話す。
「リアルタイムの視聴率は初回3・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)で、それ以降は発表されていません。放送時間が土曜夜11時半からの30分ですから悪い数字ではありませんが、取り立てていいと言うほどでもなかった」
ところが、初回の配信数はたった1日で100万回に迫る99・6万回に達したのだ。
ドラマの内容は、新聞記者の伊藤がある日、妻が男とホテルに入る現場を目撃。離婚を決意したものの、愛娘の親権を得るために育児実績を上げつつ、不倫の証拠を集め始める……というもので、当初、妻役は発表されていなかった。
「配信数が増えたのは、伊藤の妻を演じた元AKB48の篠田麻里子(38)の体当たり演技があったからでしょう。彼女は元アイドルという設定で、芸能事務所の統括マネージャーを演じた小池徹平(38)との激しい情交シーンは地上波ではギリギリと言ってもいいものでした」
さらに……
高配信数の要素
「篠田は2022年末、実生活で不倫疑惑が報じられ、自身はその報道を否定したものの翌年に離婚しています。それから1年も経たずに出演したドラマですから、視聴者は否が応でもリアルさを感じました」
脚本の鈴木氏は当時、彼女への感謝をこうXに綴っていた。
《オファーがあり、沢山沢山悩んだと思います。でも、動かないと景色は変わらない。受けて頂き、振り切ってやっていただき、本当に本当に感謝しています。篠田さんの一歩踏み出した勇気が、唯一無二のこのドラマを作りました》
「当て書きじゃないかとも思える脚本ですからね。話題になったのも鈴木さんの計算通りでしょう」
当て書きが勝因なのか。
「いえ、真の勝因は配信が当たる要素を備えていることでしょう。つまり、“深夜30分”“不倫”“艶っぽい”“ドロドロ”といった要素を満たしているのです。30分のドラマは、TVerで1・5倍速なら20分、1・75倍ならたったの17分で見ることができます。“不倫”や“艶っぽい”ドラマは一家団欒の場で見ることは憚られ、一人でこっそりとスマホで楽しみます。それが配信数の増加に繋がったと考えられます」
ちなみに、見逃し配信数の第2位は月9ドラマ「海のはじまり」(フジテレビ)だった。
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