スタートから3カ月 朝ドラ「おむすび」が“浅ドラ”に変質した理由 古着バイヤーも靴職人も「キャラ設定」が雑すぎる

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 NHKの朝ドラ「おむすび」が折り返し地点にさしかかった。しかし、評判も視聴率もいまだに上向く気配がない。何がいけないのだろう。

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 朝ドラの歴代ワースト視聴率は2009年度後期に放送された「ウェルかめ」で、初回16・0%、最高20・6%、全話平均13・5%だった(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)。一方、「おむすび」の初回視聴率は16・8%。これが今のところの最高視聴率であり、現在は12~13%をウロウロしている。このままでは歴代ワーストを更新しかねない。民放プロデューサーは言う。

「キャラの設定や職業に対する知識が浅く、違和感や矛盾、モヤモヤ感がありすぎるという批判は少なくありません。朝ドラでなく“浅ドラ”なんて声もあります。それは今に始まったことではなく、番組のスタート当初からでした」

 例えば、シソンヌの長谷川忍が演じたヒロイン・結(橋本環奈)の高校の担任だ。

「結が入学したその日、姉の歩(仲里依紗)が入学早々に停学になった“伝説のギャル”で問題児だったことをクラス中にバラすという、デリカシーに欠ける教師という設定で登場しました。キャラ付けとしてはアリですが、視聴者からは反感を買いやすく、その後は特に何も描かれませんでした」

 登場が期待された“伝説のギャル”の歩も安定しない。

“ギャル靴”への疑問

「カラオケビデオに出演する“大女優”として故郷の福岡・糸島に帰ってきますが、神戸では古着のバイヤーになっていました。突拍子もない役の設定に『仲里依紗の無駄遣い』 との声も上がっています」

 北村有起哉が演じる理容師の父親も同様だ。

「歩のシャンプーを誤って使ってしまい、それが1本1万円もすることに驚いたり、使った分を誤魔化すために安いシャンプーを継ぎ足したりするなど、プロとは思えぬ言動に突っ込みが入っていました」

 そして、緒形直人が演じる靴職人のナベさんも……。

「12月9日の放送で登場したナベさんが作った厚底キラキラの“ギャル靴”は、これまで見たこともなかったはずのなのに手書きのデザイン通りに仕上げてしまうという演出で共感できませんでした」

 ナベさんは阪神・淡路大震災で一人娘を亡くしてから、前へ進むことができなくなっていた。結の父の靴を直してくれたことはあったが、再び引き籠りがちに。ところが、娘の親友だった歩に“ギャル靴”のリメイクを依頼され、徹夜で1足を仕上げてくれたのだ。SNSでは、初めて見せたナベさんの笑顔に安堵の声も上がったが……。

《靴の修理に1万円取る職人にギャル靴のカスタマイズ依頼したら、材料費+加工賃にいくら掛かるだろう…。普通に市販品買った方が良くないか?》

《あゆみは当分帰って来ないみたいだけど、ギャル靴はどうなるのだろう》

 歩はナベさんに20足もの中古靴を託していたのだが、そのまま仕事でロサンゼルスへ旅立ってしまったのだ。ナベさんは彼女にこう言っていた。

「あと19足やな。もっと良いの作ってガッポリ請求したる!」

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