「そもそも選び方が前近代的」「辞退する人も増えた」 次期会長決定の「経団連」が孕む問題を関係者が指摘 カギを握る「事務総長」の役割とは

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カギを握る「事務総長」

 しかし、そもそも経団連の会長とはどのようなルールで決まるものなのか。新聞報道などを見ると“前会長の一存”で決まっているようにも映るが、さる経団連の関係者は「透明性のある決め方とは程遠い」として、その問題点を指摘する。

「現会長の意向を踏まえつつ、事務総長が存命の名誉会長(元会長)の意向を尋ねてまわり、『次はこの人』と決まっていくのです。民主主義の重要性を訴える組織なのですから、選考委員会の一つでも作るべきだと思うのですが、政界にも大きく影響するポストが、こんな前近代的な決め方のままでいいのかと考えてしまいます。だからこそ世間の感覚ともズレが大きくなり、経団連の存在意義も小さくなってしまっている気がしてなりません」

 なお、会長選びにはこの「事務総長」の動きもカギになっているようで、

「今の十倉会長が就任したのは、前任の中西宏明氏(日立製作所の当時会長)がご病気で退任することになり、中西氏と親交が深かったためにピンチヒッターを任されたと言われていますが、実は現事務総長の久保田政一氏と十倉氏の関係も影響していました。10年ほど前に米倉弘昌氏(住友化学の当時会長)が経団連トップを務めていた時代、事務総長だった中村芳夫氏との関係があまり良くない時期があった。そこで住友化学で当時社長を務めていた十倉氏と、経団連事務方No.2だった久保田氏が密にやりとりを行うようになり、関係を深めた。その後十倉氏が会長になったのは、久保田事務総長としてやりやすい人だったという背景もあったのです」

 そんな久保田事務総長は、来春で11年も同職を務めたことになる。

「今回の会長交代と同時に、事務総長も替わる可能性が高いといわれています。専務理事から昇格するのが常道で、1人は中途入社であることを考えると、藤原清明氏が引き継ぐのが順当ではあります。しかしこれまでのように長期で務めることを想定するなら、常務理事から選出して、60歳くらいまで若返りを図ることも考えられます。裏方ではありつつも、組織で大きな力を持つのが事務総長。会長と事務総長が同時に替わるとあれば、経団連として一つの変わり目にはなるかもしれません」

 有料記事【医自民党の大スポンサー「経団連」とは一体何なのか 「会長選びの実態」から「政治献金のカラクリ」まで…知られざる内情に迫る】では、経団連という組織の実態や政界との関係性などについて解説している。

デイリー新潮編集部

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