よりによって公開日が「12月30日」なのはナゼ? 木村拓哉「グランメゾン・パリ」を巡って蘇る「日本アカデミー賞」との因縁
12月30日公開
俳優の木村拓哉(52)が主演を務める映画「グランメゾン・パリ」が、12月30日に公開される。2019年に放送されたドラマ「グランメゾン東京」(TBS系)の続編となる。
【写真】木村拓哉は23年公開の「レジェンド&バタフライ」で織田信長を演じ(主演)、「ぎふ信長まつり」で騎馬武者行列に参加。熱狂の様子を
公開前日の同29日には、スペシャルドラマも放送される。天才シェフ・尾花夏樹(木村)が、鈴木京香(56)演じる早見倫子ら仲間とともに奮闘し、レストラン「グランメゾン東京」が、ミシュランガイドで三つ星を獲得した後の物語が描かれる。映画版ではさらにフランス料理の本場パリに新店舗「グランメゾン・パリ」を立ち上げ、アジア人初となるミシュラン三つ星獲得を目指して奮闘する姿が描かれるという。
「キムタク主演映画とあって、コケることは許されない。そのため、映画版ではたっぷり予算をかけてパリでのロケを敢行しました。さらに、それぞれのファンも取り込むためか、韓国のアイドルグループ・2PMのオク・テギョン、キムタクの事務所の後輩のアイドルグループ・Aぇ!groupの正門良規が新キャストとして参加。そしてSPドラマには窪田正孝と北村一輝がゲスト出演しています」(映画担当記者)
とはいうが、同記者が心配するのは映画の公開日。これが実に微妙な時期だという。
「日本アカデミー賞」の公式サイトによると、選考対象作品はその年度の1月1日から12月31日に、東京地区で有料初公開された40分以上の劇場用劇映画及びアニメーション作品となっており、他の映画賞も概ね同じだ。今回の作品はギリギリ、2024年度日本アカデミー賞のノミネート対象となるのだが、
「12月末の公開となると、最初の興収発表が正月休みと重なってしまい、作品への評判も分からない。よほど前評判が高い作品でないと審査員はスルーします。アカデミーはじめ、おそらく映画賞に絡むことは難しいのではないでしょうか。せめて、11月ぐらいまでに公開しておけば、映画賞に絡んだかもしれませんが」(同)
それというのもここ数年、木村は周囲に映画賞を狙う意気込みをのぞかせているからだという。
せっかくの海外初進出が…
「これまでの輝かしいキャリアを振り返って、縁がなかった映画賞にこだわりを持っているようです。21年公開の東野圭吾さんのベストセラーを映画化した『マスカレード・ナイト』で『報知映画賞』の主演男優賞を受賞しましたが、ほかの映画賞では評価されず、物足りなかったのではないか」(前出・記者)
それでも、SMAP時代から長きにわたり国内ではトップスターに君臨している木村だが、ここに来て興味深い調査結果が発表された。
視聴率調査でおなじみの「ビデオ・リサーチ」が11月19日、日本のコンテンツ制作の発展に貢献することを目的に、アジアとアメリカ、12の国と地域での「日本のタレント・アーティストの人気度」を調査した結果を、各国と地域のトップ5まで発表した。
一定の世帯所得を有し、有料ストリーミングサービスプラットフォームの視聴が可能な15~59歳の男女が対象で、その対象が現在、民放各局が重視している13歳から49歳の男女を対象とした「コア視聴率」の世代に近いことから、業界内での注目度も高い。
気にそのなる結果だが、木村が中国、台湾、香港、マレーシア、シンガポールで1位を獲得。韓国では大リーグ・ドジャースの大谷翔平(30)に次ぐ2位で、タイでは5位。アジアでは高い人気度であることが明らかになった。
ちなみに、アメリカで1位を獲得したのは、真田広之(64)。主演を務めプロデュースを手掛けたドラマ「SHOGUN 将軍」が、米のテレビ業界の最高栄誉である「エミー賞」でドラマシリーズ部門主演男優賞を日本人で初めて受賞したことが大きく影響していると思われる。
2位はハリウッド映画でも活躍している渡辺謙(65)。木村はトップ5の圏外だった。
「これまで、数々の木村さんの主演ドラマがアジア各国で放送されていることが人気の要因でしょう。木村さんは中国版・Xの微博(ウェイボー)を開設していますが、フォロワーは247.5万人(13日現在)。19年には『微博星耀盛典(ウェイボー・スターライト・アワーズ)』にて、『最も影響力のある俳優(アジア太平洋部門)賞』を受賞しています。もともと人気があっただけに、実は過去にアジア圏でスターになれたかもしれない出来事がありました。しかし、そのビッグチャンスを逃してしまっていたんです」(映画業界関係者)
木村は04年に公開された香港映画「2046」で海外作品初進出を果たしている。
メガホンを取ったのは香港の巨匠、ウォン・カーウァイ監督(66)で、主演はトニー・レオン(62)。木村以外にはチャン・ツィイー(45)、フェイ・ウォン(55)、コン・リー(58)、マギー・チャン(60)ら、アジアを代表するスターたちが勢ぞろいした。この作品は第57回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたため、木村の現地での雄姿を取材しようと、同映画祭には多くの日本のメディアが集まったのだが……。
「木村さんが演じたのは、劇中劇の主人公で、日本人ビジネスマンのタク役。出演したのはわずか5分ほどの微妙な役でした。そのため、日本のメディアが出演時間について報じようとしたところ、当時のSMAPのチーフマネジャーだった飯島三智氏が、『それ(=出演時間)には触れないで!』と懇願したそうです。チョイ役と思われるのがよほど嫌だったのでしょう。日本では大スターながら、どんな扱いをされるのか分からないということもあってか、その後、海外の作品に出演することはありませんでした」(同)
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