西武の契約更改はなぜ揉める? 配置転換にメジャー志願、背番号も…直訴続々

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「われわれはライオンズというチームの事情を知っています」

 MLB球団関係者が西武投手陣に注目する理由を、こう説明する。

「西武の投手陣は、力量が高いのはもちろん、投球フォーム1つを取っても、個性的な選手が多い。力勝負の傾向が強いパ・リーグで揉まれているので、MLBにもなじみやすいと思います。それに、われわれはライオンズというチームがこれまで、選手のメジャー移籍を積極的に後押ししてきたことを知っています。松坂大輔氏が2006年オフにポスティングシステムでレッドソックスへ移籍した際、ライオンズに支払われた譲渡金でスコアボードの全面カラー化など、本拠地球場の大幅改修が行われた──という話も聞いています」

 結局、平良は1回目の交渉の10日後(12月13日)、2回目の交渉でリリーフへの配置転換を飲み、5,000万円ダウンの来季年俸2億円プラス出来高(金額は推定)でサイン。「年俸はダウンですが、出来高で補填する内容をつけてもらいました。その他にも諸々あって、それほど(リリーフを)やってほしいのだなと、球団側の気持ちが伝わりました」と説明した。ただ、「メジャーは個人的に目指している場所で、そこを目指す気持ちがないと、日本でも活躍できないと思っています」とも語り、来年以降へ向けて火種は残った。

 今年のペナントレースでは球団史上ワーストタイ記録の91敗を喫し、最下位に沈んだ西武だが、元凶はパ・リーグワースト記録を塗り替えるチーム打率.212、今季12球団ワーストの総得点350に終わった打線。対照的に投手陣は、魅力があふれている。来季以降も契約更改を含め、いろいろな意味でファンをドキドキさせそうだ。

(取材・文/喜多山三幸)

デイリー新潮編集部

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