小林誠司、石川雅規の“プロテクト漏れ”で必要な「対価」とは?“FA人的補償”で巨人とヤクルトに決定的な「相違点」

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小林は正捕手一本立ちまでの“つなぎ”

 ソフトバンクは今季、甲斐の流出の事態に備え、海野隆司、谷川原健太両捕手に経験を積ませた。一方で正捕手を任せるとなると、時期尚早だ。捕手出身のNPB球団元監督はこう指摘する。

「現状の2人では甲斐の代役としては力不足。どちらかが一本立ちするまでに経験豊富な小林で数年間をつなぐというのは現実的なプランです。小林は来季中に36歳になりますが、菅野のように相性がいい投手に限定しての出場なら、まだまだ力を発揮できますよ」

 巨大戦力を誇ってきた巨人ではFAの人的補償で、内海哲也(現投手コーチ)や長野久義といった看板選手が泣く泣く、他球団に移籍した過去がある。ただ球団はその後、コーチや選手でチームに呼び戻した。

「小林には今から指導者の資質が認められます。プロでは巨人でしかプレーしたことがないので、現役終盤に他球団を知った経験は指導者になった時の“厚み”につながります。プロテクトから外す際に本人のコーチでの復帰を前提にするなどした根回しをすれば、スムーズに移籍できると思います。巨人のこの辺りのケアは、これまで12球団で最多のFA選手を取ってきたわけですから、お手の物でしょう」(同前)

石川が楽天にうってつけのワケ

 ヤクルトで人的補償に取り沙汰される石川は12月4日に減額制限(1億円以下は25%)を超える年俸4000万円で来季契約を結んだ。チーム一筋に投げ続け、今季まで積み上げた白星は186個。来季は球界最年長の45歳で迎える中で、いまだ200勝の大記録への意欲に衰えはない。

 現状の力では週1度のローテーションを1シーズン、守ることは望めない。間隔を空けながらの登板でクオリティースタート(6回以上で自責点3以内)をクリアする投球が期待される。

「戦力的なことだけを言えば、どうしても楽天が欲しい選手ではありません。ただ野球に取り組む姿勢は若手に好影響を与えるでしょうし、何と言ってもご当地選手ですから……」(在京球団の編成担当)

 石川は秋田商業高出身。公式戦では故郷の秋田での登板を熱望してきた。楽天は今季も秋田で公式戦を実施し、来季も東北6県での公式戦開催の一環として予定している。地元重視の戦略上、うってつけの選手と言える。

 一方でヤクルトには譲れないものがある。

「選手を大事にし、トラブルを避けてきた球団です。石川をプロテクトせずに取られるようなことになれば、アットホームな球団のイメージにも影響を及ぼしかねません」(前出の元監督)

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