「帰りたいと懇願する被害女性に行為を続けた」 大阪地検元検事正「一転、無罪を主張」の背景に「ホラ吹き女性副検事」の存在が

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初公判で罪を認めたのに……

 突然の無罪主張である。検察庁の王様とまでいわれた元大阪地検検事正が、部下だった女性検事を相手に起こした性的暴行事件。初公判で罪を認めたはずの彼は、なぜ強気の姿勢に転じたのか。裁判が混迷を極める“元凶”は、ホラ吹き女性副検事の存在だった。

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 大阪地検のトップ・検事正だった北川健太郎被告(65)が、当時の部下である女性検事に性的暴行を加えた罪に問われた事件の裁判は、急展開した。

 10月に大阪地裁で開かれた初公判で、北川被告は「公訴事実を認めて、争うことはしません」「深刻な被害を与えたことを深く反省し、謝罪したい」などと証言。このまま有罪となる見込みだったが、今月10日に予定されていた第2回公判は、期日が取り消された。

夫や子供と住む家に帰してと懇願したが……

 その理由は、同日開かれた協議の場で明らかとなる。

 裁判官と検察官を前にして、北川被告側は「無罪を主張する」と、突然の方針転換を示したのである。

 社会部記者によれば、

「北川被告は検事に任官後、大阪や京都、神戸の各地検で実績を重ねて“関西検察のエース”と呼ばれていました。大阪高検次席検事、最高検刑事部長など要職を歴任して、2018年には大阪地検検事正に上り詰めます。退職後は弁護士となり、関西の有力企業の顧問などを務め、ヤメ検として存在感を発揮していましたが、今年6月に大阪高検が部下だった女性検事への準強制性交罪の容疑で逮捕。7月に起訴されていました」

 起訴状などによれば、事件は18年9月に起きた。被害を訴えた女性検事は、北川被告の検事正昇進祝いで開かれた懇親会に出席。彼女は日頃の激務に加えて家事や育児の疲労の影響で、図らずもテーブルに伏すほど泥酔してしまう。

 宴席終了後、北川被告は酩酊した彼女をタクシーに乗せ、自らの住む大阪市内の官舎へ連れ込み暴行に及んだ。途中で意識を取り戻した彼女は、夫や子供と住む家に帰りたいと懇願するが、北川被告は“これでお前もオレの女だ”などと言い放ち、行為を続けたというのだ。

一転して無罪を表明した「理屈」とは

 だが、一転して無罪を表明した北川被告の弁護人である中村和洋弁護士は、前述の協議後に開いた会見でこう説明している。

「北川さんには、女性が抵抗できない状態だったとの認識はなく、同意があったと思っていました」

 ならば、どうして北川被告は初公判で起訴事実を認め、謝罪まで口にしたのか。中村弁護士いわく、

「(北川被告には)事件関係者を含め、検察庁にこれ以上の迷惑をかけたくないという思いがあった。しかし、その後の事件関係者に生じた情報漏洩等に係わるあらぬ疑いや、また検察庁に対する組織批判により、北川さんはこのような方針が間違っていたのではないかと悩み、自らの記憶と認識に従って主張することにしたのです」

 古巣に迷惑をかけないよう裁判で争わないと決めたのに、検察への思わぬ批判が起きた。だから無罪主張に転じるという理屈なのだ。

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