「部屋を見回しても美穂の姿が見当たらず…」 中山美穂さんの事務所社長らが明かす発見時の様子と、デビュー当時の純朴な素顔
「初回放送前日、“見てくれますかね”と心配していた」
芸能界入りのきっかけは、中1の春、原宿でスカウトされてモデルとなったこと。
転機は中3の3学期に訪れた。85年1月8日、TBS系ドラマ「毎度おさわがせします」のツッパリ少女・のどか役で女優デビューを果たしたのだ。
中山さんの初代マネージャーでビッグアップル創業メンバーの一人、岡嶋康博氏が述懐する。
「作品は思春期の性をテーマにしたホームコメディードラマでした。初回放送の前日、彼女が“見てくれますかね”と心配していたのを覚えています。初回放送後、二人で街を歩いていると“あれ、のどかじゃないの”という女子中高生の声が聞こえてきて、私たちは驚きました。そんなに反響があるなんて、思ってもいなかったのです」
「澄んだ声をしていて、歌唱力にも恵まれていた」
中山さんの古くからの知人が明かす。
「彼女は『毎度~』の頃、共演者だったジャニーズ事務所のあるタレントにぞっこんでね。夜中ずっと電話するものだから、電話代は一晩でかなりかさんだようです」
ドラマ初出演と同じ85年、歌手デビューも果たした。
キングレコードOBの福住朗氏の話。その才を見いだした人である。
「事務所からの推薦を受け、面談を経て弊社スタジオで歌のテストを受けてもらいました。中森明菜の『スローモーション』が好きだと言うので歌ってもらったのですが、当時から表情がどこか大人びていた。また、声も良かったですね。澄んだ声をしていて、歌唱力にも恵まれていました」
昭和歌謡に強かったキングレコードの社内では、彼女を売り出すことに反対の声も上がったという。が、「毎度~」で人気に火がついて、歌の面でもチャンスを得た。結果、
「レギュラー出演2作目の『夏・体験物語』の主題歌を任されたのです」(同)
作詞・松本隆、作曲・筒美京平のゴールデンコンビによる「C」である。
「朝からロケ、ラジオ収録にインタビューと生の歌番組」
デビュー曲ながら大ヒットし、その年の日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。翌年には「ツイてるねノッてるね」でレコ大金賞も獲得。
曲名を地で行くように仕事も上り調子に向かう。
「あの頃は365日、ほぼ休みなしでした。今では考えられないような働き方です。早朝はロケ。その後はラジオ収録で、途中に『明星』など雑誌のインタビューをいくつか受ける。夜になると『ザ・ベストテン』『ザ・トップテン』『夜のヒットスタジオ』など、生の歌番組に出るんです」(前出・鈴木氏)
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