「家の外では日本語を話すな」…“小学生刺殺”で中国在留日本人を襲う恐怖 「南京事件の日」は全校休校 警備費用に「税金4300万円」
「南京事件」から87年となる12月13日、中国国内にある日本人学校12校すべてが生徒の通学を止め、7校が休校、5校がオンライン授業とするなど、極めて異例な対応を取った。中国の治安悪化に伴い、在留邦人の緊張が高まっている。【相馬勝/ジャーナリスト】
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駐中国日本大使館は「南京事件」を1週間後に控えた今月6日、《12月13日南京事件(特に注意を要する日)についての注意喚起》と題する在留邦人への「お知らせ」を大使館のホームページに掲載した。
《12月13日は南京事件の日です。日中の歴史にかかわる日は、中国人の反日感情が特に高まりやすく、日本人は特に注意する必要があります。外出時には周囲の状況を常に注意し、可能な限りの安全対策に努めてください》と注意を喚起。
そのうえで、《安全対策について》は、
《過去の日中間の歴史にかかわる日においては、特に注意する必要があります》として、
《最近、中国各地で無差別殺傷事件が発生しており、外出時にはこれまで以上に安全面での注意が必要です》
《また、外出の際には不審者の接近等、周囲の状況にくれぐれも留意し、安全確保に努め、複数人で外出する等、特にお子様連れの場合には十分に対策をとるようご注意ください》と強調している。
10年前の反日デモ以来の通知
「お知らせ」は外出時の留意点として、次の5点を挙げている。
・《現地の習慣を尊重し、現地の方と接する際には言動や態度に注意する》
・《外で周囲に聞こえるような声量で日本語を話すこと等は極力控えるとともに、日本人同士で、集団で騒ぐ等の目立った行為は避ける》
・《一見して日本人と推測される服装をしたり、そうした物を携帯したりすることを避ける》
・《周囲の状況に注意を払い、大勢の人が集まる広場や多くの日本人が利用すると思われやすい場所は可能な限り避ける》
・《少しでも不審に感じる人物や集団等を見かけた際には近付かないようにし、速やかにその場を離れる》
神経質ともいえるほどの注意喚起である。日本大使館がこのような入念な注意点を記した「お知らせ」を発表するのは、2012年8月から9月にかけて、中国各地で日本のデパートや商店、レストランが焼き討ちにあったり、在留邦人が暴行を受けたりするなど、尖閣諸島国有化に伴い、中国全土に吹き荒れた大規模な反日デモ以来だ。
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