球界が騒然!「田中将大」だけじゃない…情け無用の“大減俸”を食らった大物選手

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大減俸を乗り越え、日本一決定戦の勝利投手に

 最後は大減俸の5年後にプラス1億円まで巻き返した選手を紹介する。今季限りで現役を引退したソフトバンク・和田毅である。
 
 2015年オフ、カブスを自由契約になり、3年総額12億円で古巣・ソフトバンクに復帰した和田だったが、契約最終年の18年は、開幕前に左肩痛を発症し、1軍登板なしで終わる。

 12月18日、契約更改に臨んだ和田は、11年の松中信彦の2億円を上回る球団史上最大の3億円ダウンの年俸1億円プラス出来高の1年契約でサイン。3億円ダウンは、現在でも22年のソフトバンク・松田宣浩と並ぶ史上4位の大減俸である。

「だいぶ下がりましたね。この3年間で働けたのは(15勝を挙げた16年の)1年だけ。申し訳ないです。その中で、球団から『来年は肩を治して戦力として計算してるから』と言っていただいた。その言葉に救われました。契約してもらえるだけで感謝」。

 結果を素直に受け止め、復活を誓った和田は、翌19年6月5日の交流戦、中日戦で2年ぶりに1軍復帰をはたし、同23日の巨人戦で651日ぶりの白星を手にするなど、12試合登板の4勝4敗、防御率3.90を記録。巨人との日本シリーズでも、日本一を決めた第4戦に先発して勝利投手になり、現状維持の年俸1億円で再契約を勝ち取った。

40代では「中日・谷繁元信」以来の2年連続昇給を果たした

「『来年も戦力として契約させてもらう』と言っていただいて、ありがたい言葉だなと思いました」と球団に感謝し、さらなるチームへの貢献を誓った和田は、翌20年には10月27日のロッテ戦で自身初のリーグ優勝決定試合の勝利投手になるなど、8勝1敗、防御率2.94と復活し、1億5000万円プラス出来高の2年契約を結ぶ。さらに契約最終年の21年も、17試合に登板して7勝4敗、防御率2.78の好成績で、年俸は1500万円アップの1億6500万円に。

 そして、42歳になった23年も、8勝6敗、防御率3.24と、チームの左腕では最多勝を記録し、40代では中日・谷繁元信(2011年から3年連続)以来の2年連続昇給となる2億円にアップした。現役生活晩年の37歳から5年かけて1億円を2億円に倍増させたのは快挙と言える。

 日米通算200勝まであと3勝に迫った36歳の田中は、現時点では所属先未定ながら、はたして和田に続くことができるか?

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

デイリー新潮編集部

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