「カムカムエヴリバディ」ロバート再び! 大活躍の村雨辰剛さん、プロテインと庭師な日常
連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の再放送が始まった。2021年11月から初回放送されたこのドラマで、上白石萌音さん演じる初代主人公・安子の再婚相手ロバートを演じたのが村雨辰剛(むらさめたつまさ)さん。母・娘・孫娘と続く女性3世代の物語だったため、初期に登場した母・安子とロバートの再登場を熱望する声は高く、ドラマ終盤では急きょ、「その後」が明かされるという展開もあった。
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「カムカム」出演後もドラマ「わげもん」「大奥」「どうする家康」出演や「趣味の園芸」ナビゲーターとして活躍する村雨さんは、1988年にスウェーデンで生まれ、2015年に日本に帰化。庭師の仕事を持ちながら、モデル・タレント・俳優として活動するという異色の経歴を持つ。
そんな村雨さんの素顔が明かされる『村雨辰剛と申します。』から、撮影当時のエピソードを含む一部を抜粋して紹介する。
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演じる仕事
「カムカムエヴリバディ」への出演の話をいただいたときには、いきなりの大役で驚きました。役者としてのそれまでの経験は、同じアメリカ兵の役でも2シーンだけの出演だったり、庭師役をほんの少し演じた程度でした。
普通なら、脇役から始まってだんだん大きな役が付いていって……というふうにステップを踏むと思うのですが、上白石萌音さん演じる主役の安子が戦後に出会う、アメリカ進駐軍の将校ロバートというキーマンの役を与えられて、緊張と責任を感じました。と同時に、期待されていることを感じて、とても嬉しかったです。
台本を受け取ってから撮影に入るまでは、ずっとセリフの練習を繰り返しました。実際に演じてみてわかったのは、細かい演技がとても大切だということ。そして、それは余裕がないとできません。
セリフに気持ちが向いてしまうようではダメなのです。まずは、自然に言葉が出てくるレベルまでセリフを叩きこんで初めて、演技に集中力を回すことができるんだと学びました。
セリフは日本語と英語で、日本語の方には時折知らない言葉も混じっていました。
とにかく使ったことがない言葉でも丸暗記で対応していました。
だけど、せっかくがんばって台本を覚えても、ギリギリで変更になったり、さらに撮影現場でいきなり変えられたりということもありました。急すぎて「無理だ!」と一瞬お手上げになることもありました。
現場では監督からの演技指導も細かく入ります。
「今のシーンでは、もっと雰囲気を出してほしい」
「相手に言われた言葉を深く受け止めてほしい」
などと言われるたびに、「そのためにはどうすればいいのか?」と考えて、工夫を重ねました。
「深く受け止める」って、どういうことなんだろう? と、最初はずいぶん悩みましたが、やっていくうちに「ああ、こういうことか」と理解が深まっていくのが、とても楽しかったです。
役者の仕事は、大変だけど面白い。大好きになりました。演じることが、楽しくて仕方ありません。
「役」を演じている自分は、実生活の自分とはまったく違うキャラクターの場合もあります。「カムカムエヴリバディ」のロバートがまさにそうで、「ここは、僕とは似ていないな」と思いながら演技をしていました。でも、時折、ロバートの心境にとても共感できる瞬間があったりして、それがまた、面白いところです。
自分の人生を軸に、これまでのいろんな経験を引き出して役としての感情を出せるようになりたいと思いますが、想像もつかない役柄の場合はそれができなくて難しいことも多いです。
最近いただいた役(編集部注=NHK土曜ドラマ「わげもん~長崎通訳異聞~」オランダ人ヤンセン役)は、自分自身に似ているところが多く、演じることの面白さをこれまで以上に感じています。
メディア関係ではいろんな仕事をいただいていますが、今いちばんおもしろいのが「役者」の仕事です。今後は役者の仕事をもっと増やしていきたい。
いつか大河ドラマで侍(さむらい)の役をやってみたいというのが、大きな夢のひとつです。
もちろん「庭師」は変わらず天職
「庭師の仕事はやめてしまったんですか?」
最近ではメディアへの出演が増えているからでしょうか、そう聞かれることがあります。
いいえ、もちろんやめてはいません。庭師としての仕事も続けていますし、庭造りへの情熱は変わらず持ち続けています。
現在も、造園会社などには所属せずに自営業として庭師の仕事を行っています。
それに加えてメディアの仕事があり、また、プライベートでやりたいこともたくさんあります。それらのバランスをとりながらの毎日なので、会社員のように決まった時間や曜日に働くというスタイルからはかけ離れた生活です。
曜日の感覚もほとんどありません。その日によってスケジュールが大きく違う。「週末」になったら休める、なんてこともありません。
そういう状況なので、庭師の仕事は、今は「紹介」の案件だけを受けています。急ぎの案件などは受けることが難しいので、スケジュールについては最初にきちんとお話をして理解してもらうようにしています。
現在、庭造りを任せてもらっているのは神奈川のお客様です。
お話をいただいたときには連続ドラマ出演が決まっていたこともあり、かなりお待たせすることになりそうでした。「それでもかまわない」とご理解いただき、お引き受けしました。
メディアの仕事をいつも優先しているということではなくて、庭の仕事が先に入っている場合は事務所に「ここには仕事を入れないでね」とお願いしています。
庭師の仕事を始めた頃は、僕も頭が硬くて「やるなら一筋に」と考えていました。
だけど、そのうち柔軟な考え方に変わっていきました。
一つの分野だけに固まってしまうのは、今の時代には合わないんじゃないか。他での活動が、かえってプラスになることも多いのではないかと思ったのです。
メディアで活動しているからこそ、お客さんとのコミュニケーションもとりやすい。いろんな活動で得た刺激やヒントを庭造りに活かすこともできる。すべての活動はつながっていて、お互いに補い合っていると感じます。
「この道一筋」というやり方を否定はしません。それはそれで素晴らしいと思います。だけど、僕には今のようにバランスをとってやりたいことをやっていくのが合っているようです。
庭師という職人は、物作りをしているというよりは、様々な素材を集めて一つの作品をつくりあげる、外空間のスタイリストのようなものです。
石も木も灯籠なども、自分で作るわけではありません。イメージに合うものを探して、どこかから集めてきて「庭」という一つの空間をつくります。そのためには、いろんな経験を通じてインスピレーションを得る必要があり、普段から庭めぐりをしたり日本文化に触れたりすることを大切にしています。
メディアの仕事では、そういった機会も多くいただけることがとてもありがたいです。
いつか、受注ではなく自分の作品としての庭をつくって、みなさんに見てもらいたいと思っています。僕がつくった庭を通じて日本の良さを感じてもらったり、新たな魅力を発見して驚いたりしてもらえるような庭を、作品として残したい。
理想は、自分で土地を買って、思い通りに自由につくること。それによってお金を得るというような話ではなくて、自分が好きだと思えるものをつくって披露するのが夢です。
僕にとって「庭」はお金を得る手段ではなく、やりたいことを表現するためのメディアなのです。これは「役者」の仕事にも通じる考え方で、僕の中では庭と役者は「表現する」という点でつながっています。
僕が毎日食べているもの
「カムカムエヴリバディ」の撮影の時などに、スタッフや出演者の方から「今日何を食べたんですか?」と聞かれると、そのたびに「プロテイン」と答えてみんなを笑わせていました。
これは半分「ネタ」ですが、半分は本当の話です。
待機中にお腹がすいたときにはいつでもプロテイン食品を摂れるように、ポケットに忍ばせていました。財布は持っていなくても、プロテイン・バーだけは忘れない。だから、一般の方が想像する以上の量のプロテインを摂っているのは事実です。
もちろん、普通の食事もしています。最近は仕事が忙しくなったので自炊することが少なくなりましたが、一人暮らしを始めてからずっと自分で料理をして、ついでに次の日、庭の現場に持っていくお弁当を作ったりもしていました。
といっても、とてもシンプルな調理法です。鶏肉を茹でたり焼いたり。味付けは大抵塩こしょうだけ。ご飯とメインのお肉があれば、あとは野菜を何か加えれば栄養が摂れますし、お金の面でも節約になります。
仕事の時間や場所が不規則になった今は、外食をするときやコンビニエンスストアでも、なるべく健康志向のものを選んだりしています。
外食では焼き魚定食が好きとお話ししましたが、お刺身も好き。もちろん、お肉も大好きです。好きなものを、食べたい時に食べるのがいちばんだと思っています。
毎日の食事で大事にしているのは朝ごはんです。僕は朝ごはんを食べないと代謝量が上がらずにダラダラした感じになってしまうので、しっかり食べるようにしています。
必ず食べるのは、オートミール。アーモンドミルクと一緒に温めて、バナナやベリーなどの果物を乗せます。それに加えて卵を2~3個焼いて食べる。一緒にコーヒー。これが定番のメニューです。
時々は、オートミールに出汁(だし)をきかせて「おじや」みたいにして食べることもあります。これは、日本に来てから覚えた食べ方です。
あと好きなものと言えば、「あんこ」!
甘党ではないし、普段はお菓子を食べることはほとんどありません。だけど、苦手なわけでもありません。
「カムカムエヴリバディ」の撮影で、安子さんが作ったおはぎを食べるシーンがあったときには、いろんなアングルから何度も撮るので合計で10個くらいは食べたと思います。あんこ好きなので辛くはなかったけれど、お腹はいっぱいになりました。