気づけば「朝ラー」が定着の予感…意外にも“朝食向き”で、野菜たっぷりのタンメンを“自炊”する愛好家も

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朝から麺とライスと半餃子

 最近、新宿の「麺や百日紅」「らぁめん ほりうち」など、朝の時間帯からラーメンが食べられる「朝ラーメン」を提供するお店関連の記事を目にするようになっている。「朝ラー」とも呼ばれ、市民権を得つつあるが、よく考えたら立ち食いソバ店では天ぷらソバやうどんを朝っぱらから食べるわけで、そもそも違和感を持つべきものではなかったのかもしれない。朝ラーメンの魅力について、改めて考えてみた。

 新宿の上記2店はサッパリとしたラーメンだが、「ラーメン山岡家」のようにこってりしたラーメン屋が24時間営業をするなど、実は今、ラーメン好きにとっては時間を気にせず食べられる時代なのだ。元々ラーメンは博多・長浜の市場や築地でも朝から食べられていたわけで、そもそも朝食としてのポテンシャルは十分あった。

 かつてイチロー氏が毎朝カレーを食べる、と明らかにしたら、以後「朝カレー」という言葉が使われるようになったが、今では「朝ラー」も違和感なく受け入れられるようになったのではないか。東京・渋谷の中華料理店「兆楽」は朝7時からラーメンはもちろん、レバニラ炒めやチャーハンも提供。「ラーメン王 後楽本舗」は24時間営業で、朝から麺類とライスと半餃子のセットを平らげる人もいる。

渋谷で朝っぱらからビールを

 私は渋谷の両店をよく利用していたのだが、朝から野菜たっぷりのタンメンを食べるとその日一日のスタートを元気に切れるような気がいつもしていた。そうしたことから朝ラーには抵抗感がなかったのだが、最近は別の楽しみ方をするようになった。まともな勤め人はやりづらいだろうが、朝っぱらから「兆楽」で妻と一緒に餃子を一皿頼んでビールを飲むのである。そして締めにタンメンを食べる。これが自分にとってはゴールデンコースとなっている。

 そして、この朝ラー習慣は私の地元・佐賀県唐津市でもやるようになった。朝9時から営業している「龍虎軒」というラーメン屋があるのだ。この4年間、多くの知人が唐津を訪れたが、たいてい、呑兵衛だらけである。前の夜にさんざん飲んだというのに、朝っぱらから酒を飲みたい、なんかウマいものを食べたい! とワガママなことを言う。

 そんな時にこのお店は実に便利なのである。ホテルのチェックアウトは大体10時。その1時間前に済ませてもらい、この店で再会。1時間ほど過ごし、10時30分~11時30分ぐらいのバスないしは電車で唐津を出るというのが、近頃の“黄金パターン”となっている。

 まずは餃子とビールを頼み、名残を惜しみながら最後の宴を行う。そして締めは当然ラーメンを頼むのだが、龍虎軒のラーメンはアッサリとした豚骨ラーメンで、スープもごくごく飲めるもの。薄切りで脂肪分の少ないチャーシューは重くなく、何枚でも食べられる。途中、紅生姜で味変をする。

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