「広島の人は原爆で全員死んだと思われていた」 ボストンマラソン優勝「田中茂樹」がアメリカ人から受けた非礼
スポーツの勝利は、時代によって意義や影響力が大きく変わる。戦後数年間は国民感情や国際理解に大きな影響を与えた。
古橋廣之進が全米水泳選手権に優勝したのは1949年8月。そして51年、ボストンマラソンで日本人初優勝を飾ったのが広島県出身の田中茂樹だった。大会直前、《人気者の田中選手》の見出しで朝日新聞は次のように報じている。
〈当地では田中少年の評判は大変なもので新聞では茂樹という名を「シギー」という愛称で呼んだり、広島県出身なので「原爆の子」とはやし立て田中の記事で持ち切りの状態である〉
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