山崎怜奈はなぜこんなに嫌われる? 石丸伸二氏ともバトル…「若者世代」を背負うアイドルコメンテーターの限界
東京都知事選後のテレビ番組で石丸伸二候補とのバトルが話題になった、元乃木坂46・山崎怜奈。コメンテーターとして活動するも、早くも「嫌われ者」の印象が付いている彼女だが、なぜそこまで批判を集めてしまうのか。ライターの冨士海ネコ氏が分析した。
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石破茂首相の誕生、清原正吾選手の野球引退、兵庫県知事選のキラキラ広報社長騒動、M-1史上初の2連覇が懸かる令和ロマンなど、2024年下半期は各界で「慶應OBOG」の存在感が光った年だったのではないだろうか。夏の甲子園での異常な応援ぶりや、就活界で幅を利かせる「三田会」ネットワークへの冷ややかな目はあるものの、やはりどこの世界でも平均点以上の成果を出し、そつなく世の中を渡っていく頭と要領の良さは認めざるを得ない。
しかしそのそつのなさが嫌味に変わりやすいのが、コメンテーター界である。今年はトラウデン直美さんが「(自民党の)おじさんの詰め合わせ」で大バッシングの憂き目に。そして最も注目を集めたのは、東京都知事選後の「Mr.サンデー“七夕決戦”都知事選SP」(フジテレビ系)で石丸伸二候補の不興を買ったといわれた元乃木坂46・山崎怜奈さんではないだろうか。
コメンテーターというよりも、もはや炎上コンサルをやった方がいいくらいの嫌われぶりだ。形骸化した権威や習慣を「なんの得になるの?」と切り捨てる姿は小気味いいが、多くの場合、切られる対象は「おじさん・おばさん」になる。それは自身が「新世代の代表」として座っているから、というキャラ戦略の延長なのだろうが、見ようによっては無礼で功利的な若者代表にも映るだろう。
山崎さんに対しても、「賢い」ではなく「小賢しい」と感じる人は多いようだ。特にAbemaPrimeでの政治家との討論では、言いたいことだけ言って終わるけんか腰の態度が批判を集めた。
いくつかの番組を見る限りの印象だが、山崎さんは「私は若者代表」と気負い過ぎているのではないか。頭の固いおじさん・おばさんにかみつくという対立構造に持ち込まないと、賢い若者としての立場を際立たせることができないと思い込んでいるように見える。
先日出演した「あちこちオードリー」(テレビ東京系)では、「なんの専門家でもないけど、自分の考えを持つ一市民としてどう思うかを素直に話してほしいとオファーされる」背景を説明。自身の発言が炎上しがちなことについては、一介のタレントが政治や経済のことを話すとたたかれる、もっとフランクに話せる世の中になってきたと思っていたのに、と不満を述べていた。しかしフランクとは真逆の態度を取っているのは山崎さんの方である。特に政治家と話すときに顕著だが、始終気難しい表情で、一市民としての「私は」より、「若者は」という主語で語ることが多い。「若者ではなく社会の問題」「若者が未来を憂えているのを認識しているか」……話題となった石丸さんとの問答の後は、Xで「色々若くてすみません…」と投稿していた。若者の立場から年上の出演者を悪者扱いするのは簡単だが、その手法を便利使いしていると、若さというより幼さや我の強さが浮き彫りになっていくばかりだ。
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