ゴスペラーズ、30年間“メンバー入れ替えなし”で活動し続ける秘訣を明かす 「周りからも、そろそろギネス記録? と言われるんだけど……」

  • ブックマーク

30年間、同じメンバーで活動し続けられる秘訣は「子どもっぽさ」!?

 ゴスペラーズは、5人のボーカルが矢継ぎ早に替わる場合でも、リレーションが完璧で、聴き手に違和感を持たせない。そのクオリティの高さも、大きな持ち味となっている。

黒沢「僕らの場合は、例えば『ひとり』は村上がずっとメインで歌っているし、『永遠に』も、僕が一人で歌っています。このように、一人で歌った方が伝わるなら一人で、ツインボーカルが良ければツインで、時にはもう一人増やして、さらに5人で割って……とバリエーションはかなり豊富ですね」

酒井「歌割りの部分は、周りのスタッフも僕らをすごく信頼してくれていて。でも、30年もやっていると、誰も取らないボールが転がっていくかのごとく、“誰も歌わないパートが出ちゃう”というアクシデントもありましたよ。何回か伝説になっていますが(苦笑)、各メンバーがどうやってごまかして、元のパートに復帰するのか、その時の表情を見るのが好きですね~。ごまかし方にも個性が出るんですよ。村上なんかは、咄嗟に客席にマイクを向けて、何食わぬ顔で過ごすのがうまい」

黒沢「あと、ふてくされてしばらくうつむいているメンバーもいる(笑)。歌割りのミスは、絶対にバレますからね。でも、ファンの方からすると、そこもライブならではのリアリティがあって面白いみたいですよ」

 そんなゴスペラーズだが、メジャー・デビュー以降、全く同じメンバーで30年間活動を継続中だ(’15年末から翌’16年にかけて、北山陽一が脳腫瘍により約4か月間休業した時期は4人で活動)。継続する秘訣があるのだろうか。

黒沢「周りからも、そろそろギネス記録? と言われるんですが、僕ら自身は一生懸命やっているだけです」

酒井「北山の病気は早期に見つかって、本当に幸運だったと思います。でも、それで絆が深まるなんて美談はありませんから(笑)」

黒沢「絆というか……もはや、いつも一緒にいるものだと思っていますね」

酒井「一緒に歌っていたら意見が違うこともありますし、時には“もうやってられない!”と思うくらいのこともありますよ。でも、誰かと一緒にハーモニーを作れるというのは、とても貴重なことで、たぶん他のグループに行ったとしても、同じような仲間はそう簡単には見つからない。後続のグループが出てきてくれると嬉しいけれど、僕らのようなスタイルはなかなか続かないようですね」

黒沢「僕らは今でも学生時代からの悪ノリみたいな延長で、気楽にやっているのがいいんでしょうね。僕たちは外部から集められてグループを組んだのではなく、学生の頃から空気を共有しているじゃないですか。だから、子どもっぽさがあるというのが、30年続いた秘訣かな?(笑)」

次ページ:メンバー同士で持ち味を生かし合い、絶妙なバランスのグループに成長

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。