「永遠に」「ひとり」で大ブレイクのゴスペラーズ、ヒットが出なかったデビューから6年間の苦悩と奮闘 「前例がないから自分たちで作り出した」

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「永遠に」「ひとり」で大ブレイク! ライブでも殿堂入りの2曲に

「永遠に」はオリコン初登場32位ながら、週間TOP100に長くランクインし、登場20週目には28位まで上昇。 翌’01年1月に、ヒットの登竜門である『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に初出演を果たした。

黒沢「『永遠に』のあと、エッジの効いたシングルの『告白』(Spotify 21位)も出していたんですが、番組側から“ロングヒット中の『永遠に』でお願いします”と言われて歌わせてもらいました。そうしたら、翌日から毎日1万枚前後のペースでバックオーダーがかかったんです! 今でいうと、ストリーミングで毎日何十万回ずつ再生回数が伸びるような感じで」

 この出演後、シングル「永遠に」は週間TOP20入りも達成し、最終的には44週間もTOP100に入り続けるという快挙に。また、収録アルバム『Soul Serenade』もオリコン最高8位と、自身初のアルバムTOP10入りを果たした。その流れをくんで、同年3月にシングル「ひとり」がリリースされ、初登場で自己最高の7位をマーク。登場6週目には初のTOP3入りとなり、こちらも11週連続TOP10入りという大ヒットとなった。

酒井「『ひとり』自体は、『永遠に』とほぼ同時期に作っていたのですが、アルバムだけに収めるにはあまりにももったいなかった。だったら、時期が来るまで取っておこうと。それで『永遠に』がヒットしたあと、満を持してリリースしたんです。“アカペラでのシングルが有りなのか”と世に問うような気持ちで」

黒沢「『ひとり』が多くの方に受け入れられた時は、めちゃくちゃ嬉しかったです。全篇アカペラということだけじゃなくて、サビが全部ファルセットの男性曲J-POPっていうのも、ほとんど前例がなかったので。それこそ、ムード歌謡の男性コーラスでしか成立していなかったんですよ。だから、聴いてくださったひとり、ひとりに感謝です」

酒井「しかも途中から、歌詞すらなくなってフェイクになっているなど、J-POPのフォーマットとしても、かなりヘンテコな曲なんですよ。正直、“これは、カラオケでも歌われないな”と思いました。でも、出しました!」

 蓋を開けてみれば、’01年の年間カラオケランキング(オリコン調べ)では、「永遠に」が22位、「ひとり」が38位という喜ばしい結果に。メロウなR&Bの「永遠に」のほうが上位とはいえ、カラオケ超難関曲の「ひとり」も多くの人に歌われたのだ。

黒沢「『永遠に』と『ひとり』の2曲は、われわれの名刺代わりなので、“はじめまして”の意味でも、ライブでは毎回と言っていいほど披露しますね」

酒井「ただ、ファンの方のリクエストで構成する時は、歌っていないかも。“(その2曲は)もうお腹いっぱい聴きましたので、ぜひ他の曲を”みたいな空気を感じるので(笑)。それくらい殿堂入りの2曲ですね」

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