「給料は1人5億5000万円」 NewJeans独立騒動が韓国で冷ややかな目で見られているワケ
韓国のアイドルグループ「NewJeans」は、デビューしてから瞬く間に世界中で人気を獲得した。ところが先日、所属事務所との「専属契約解除」を突如表明。日本のファンからは擁護の声が上がっているが、本国・韓国では冷ややかに見る向きも――。
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NewJeans(以下、NJ)は韓国人のミンジ(20)、ヘリン(18)、ヘイン(16)に加えて、オーストラリアとベトナムの二重国籍のハニ(20)及びオーストラリアと韓国の二重国籍のダニエル(19)という五人で構成される多国籍アイドルグループだ。
2022年、韓国の大手芸能事務所HYBEの傘下ADORからデビュー。昨年大みそかには、NHK紅白歌合戦にも出場した。
その彼女らが11月28日、韓国・ソウルで緊急記者会見を開いた。メンバーのハニが、事務所との契約解除理由について、
「(ADORは)NJを保護する意思も能力もない」
そう主張。ダニエルも、
「自由に心から望む活動をしていこうと思う」
と語ったのである。
韓国内でも驚きの声
芸能デスクが解説する。
「グループの育ての親でプロデューサーのミン・ヒジンが今年、独立を画策したとしてADORの代表職を解任されたのが騒動の発端です。先月に入り、彼女たちはミン氏の復帰を要求。それが受け入れられなければ契約解除をすると宣言してはいましたが、突然の記者会見には韓国内でも驚きの声が上がりました」
続けて、
「NJは一方的に契約解除を主張していますが、商標は所属事務所であるADORが持っています。この先、彼女らが事務所の許可なしに名前などを使用すると、損害賠償の対象になる恐れがあります」
問題は、個別の損害賠償のリスクだけではない。弁護士法人オルビス東京事務所の金紀彦弁護士が指摘する。
「韓国のアーティスト契約は、一般的に韓国の公正取引委員会が策定した標準契約書を基に作成されます。その契約書によれば、タレントからの一方的な契約破棄や契約違反があった場合、原則的に違約金が発生します」
違約金は契約解除時を基準として、直前2年間の月平均売上額に契約残余期間月数を掛けた金額で算定。その額は推定で最大6000億ウォン(約640億円)もの巨額に上るといわれる。
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