日米の「賞金格差」も長年の課題…日本唯一「PGAツアー大会」の続行決定 乗り越えるべき課題は新会場にも

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PGAツアーからの厳しい要求

 練習場に対する要求も厳しく、「大会中、大勢の選手が一斉に来た場合でも打席が確保できて、300ヤード以上、目視できることが前提」だったとのこと。そのため、アコーディア・ゴルフ習志野では、大会で使用しない2ホールに手を加えて大会専用の練習場を作ったという。

「ティグラウンドから見えないバンカーもNGと言われ、バンカーのヘリを上げて、遠くからでも見えるように改造した」

 マーチャンダイズテントやホスピタリティテント、メディアセンター、パーキングの確保、そして大観衆の動線確保なども、JGTOオンリーの大会とは求められる規模や内容が大きく異なってくる。

 開催時期に関しては、横浜ミナトChampionshipの時期を変更するなどして調整を図ることはできるとしても、第1回ベイカレントクラシックを迎えるまでのこれから1年弱の間に、横浜CCにかかる負担は途轍もなく大きいと思われる。だからこそ、期待も膨らんでくる。

 横浜CCとPGAツアー、JGTO、そしてベイカレントが手を取り合って、その難題とハードルをなんとか乗り越えてくれたら、来年の秋には素晴らしい新大会を目にすることができるのではないだろうか。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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