日米の「賞金格差」も長年の課題…日本唯一「PGAツアー大会」の続行決定 乗り越えるべき課題は新会場にも
日本ツアー選手の本音は「どうでもいい」だった
そして、さらなる課題は、出場枠の問題である。予選カットなしの4日間大会だったZOZOチャンピオンシップは出場枠がわずか78名で、そのうちJGTO選手の枠はせいぜい14~15名だった。
そのため「賞金ランキング対象外」「間口が狭い」という2つが難点となり、あるJGTO選手は「僕らの多くが、ZOZOチャンピオンシップはどうでもいいと言っている。たぶん、それが日本ツアーの選手の本音だと思う」と明かしていた。
そして「日米共催大会を謳うのであれば、JGTO選手にとっても、魅力や恩恵がちゃんとある大会にしてほしい」とも語っていた。
そのあたりの課題に、ベイカレントクラシックが、どう対処していくのかが今後の注目ポイントになりそうである。
同一シーズンに同一コースで2つの大会?
とても気になるのは、ベイカレントクラシックの開催コースとなる横浜カントリークラブが、現状ではJGTOの既存大会である「横浜ミナトChampionship」の舞台でもあるという点だ。
同一シーズン内に同一コースで2つの大会を開催することは、たとえばPGAツアーが2月にAT&Tペブルビーチ・プロアマを開催したペブルビーチで、6月に全米オープンも開催したといった前例がいくつかある。だが、JGTOにおいては、きわめて異例ではないだろうか。
JGTOの2025年日程は、これから発表されると思われる。昨年も今年も8月開催だった横浜ミナトChampionshipが来年も同時期に開催されるとすると、そのわずか2カ月後に同じ場所でベイカレントクラシックを開催することは、難しいのではないかと考えられる。
というのも、PGAツアーが開催コースに求めるものは、非常にハードルが高いからだ。
この6年間、ZOZOチャンピオンシップの開催コースを務めてきたアコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブは、開催が決まった段階で「PGAツアーから、メンテナンススタッフを(大会期間中は)常に120人用意してほしいと言われ、実際には150人体制を取った」とのこと。
アコーディア・ゴルフはグループ企業ゆえ、グループ内の複数のゴルフクラブからスタッフをかき集めることができたそうだが、横浜CCがどうやって100数十名のメンテナンススタッフを常駐させるのかは、今後のお手並み拝見となりそうである。
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