日米の「賞金格差」も長年の課題…日本唯一「PGAツアー大会」の続行決定 乗り越えるべき課題は新会場にも
1社冠の契約締結は快挙
今年10月に開催された「最後の」ZOZOチャンピオンシップの際、その会場だったアコーディア・ゴルフ習志野では、「新たなタイトル・スポンサーになるためには、どのぐらいの金額が必要とされるのか?」といった「How much?」の会話が、あちらこちらで聞かれていた。
PGAツアー側から契約金に関する詳細が明かされることはまず無いのだが、巷では、ZOZOのように1社が冠でスポンサードする場合、少なくとも40億円以上が必要だと言われている。
今回のベイカレントとの契約は「複数年」とだけ発表され、具体的な年数は伏せられているが、仮に3年契約だとしても単純計算では120億円超、ZOZOと同様の6年契約なら240億円超と推測される。
最後のZOZOチャンピオンシップの際は、この世知辛いご時世に1社冠は厳しいのではないかといった意見が多く聞かれた。PGAツアーのコントロール下で複数の企業がサブ・スポンサーとして名を連ねるという、苦肉の策が講じられているといった噂も浮上していた。
そうした中、ベイカレント1社とタイトル・スポンサー契約締結にこぎつけたことは、「快挙」と言っても過言ではなく、まずはPGAツアーアジア太平洋のクリス・リー社長とそのスタッフの尽力に拍手を送りたい。
日米の賞金格差をどうするか
とはいえ、実際の大会開催までには、さまざまな課題が山積しているはずである。
ZOZOチャンピオンシップ同様、ベイカレントクラシックもPGAツアーと日本ゴルフツアー機構(JGTO)との共催となるのだが、日米の賞金格差はZOZOチャンピオンシップ創設当初から大問題とされてきた。
ちなみに、第1回ZOZOチャンピオンシップの際は、JGTO選手が得た賞金の半額だけが賞金ランキングに加算されるという変則スタイルが採用された。それでもスポンサー筋などからは不満の声が上がり、第2回大会からは、日米共催であるにもかかわらず、賞金がJGTOで加算されないことになった。そのため、賞金ランキングという面から見た場合はJGTO選手のモチベーションが一気に低下した。
ベイカレントクラシックでは、日米の賞金格差やJGTOの賞金ランキングへの加算・不加算の問題にどう対処していくのかは、今後の大きな課題となるはずである。
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