“料亭”経営者が逮捕で大阪「松島新地」に注目…飛田新地との大きな違いは「おっとりとした街の雰囲気」と「料亭の設備」
「黙秘続けるの、しんどいと思うよ」
大阪市西区の「松島新地」で、“料亭“5軒の経営者(31)ら4人が売春を仲介したとして逮捕されたと一報が入ったのは10月15日のことだった。
「嫌疑不十分でサクッと出てくるやろ~と、はじめのうちはみんな噂してましたね~」
松島新地にほど近い飲食店の主はそう振り返る。逮捕された料亭経営者は 、ミナミのホストクラブ経営にも関与していた。容疑はホストクラブ通いで支払いが困難になった女性客に、借金返済のために売春させたこと。売春をさせられている女性側からの通報が発端だった。そんな内容がさらに報道されると、「それはあかんわ。めんどくさいことにならへんかったらいいけどね~」と思うようになっていったという。そして、11月5日、再逮捕が伝わる。【井上理津子/ノンフィクション・ライター】
【写真】飛田に比べると「おっとり」 注目を集めた「松島新地」
「ずっと黙秘してはるらしい。容疑を認めて起訴されても保釈金を払ったらちゃんちゃんやのに、なんか理由があるんやろね~」
地元ではそうした見方がおおかただったと、その飲食店主が話してくれたのは11月12日だった。それからまもない11月25日、2つのニュースが流れた。「料亭の実質的な経営者の男性らは、諸事情を考慮して売春防止法違反の疑いが不起訴となった」というニュースと、件の容疑者が「ホストクラブに来ていた女性客に、風俗店で働くように勧誘した『職業安定法違反』の疑い(有害業務の募集)で3度目の逮捕をされた」というニュースだ。ややこしいが、逮捕は「人」単位ではなく「容疑」単位なのである。すると、
「不起訴となったほうのニュース、よ~く見て。『料亭の実質的な経営者の男性』ってとこ」
とは、「飛田新地」でやはり“料亭”を営むAさん(60代)から指摘。「実質的な経営者」と「実質的でない経営者」がいるということなのか。
「たぶんね。逮捕された男性は表向きの経営者で、背後に誰かドンがいたりしてね。あるいは、名義上の経営者が誰か他にいたりしてね」とAさん。「えっ? 誰かって?」と食いつくと、「ははは。あくまで想像ということで。知らんけど」とAさんはケムに巻き、「黙秘続けるの、しんどいと思うよ。ま、警察と根性比べだわ」と言った。
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