シリア「アサド政権」崩壊がもたらすロシアの深刻事態…専門家は「海軍、空軍、核戦略の拠点を失う可能性」を指摘

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ロシアの狼狽

 ロシアとウクライナとの戦争では、戦術的なレベルに限定すると互いに一進一退という状況だ。しかし戦略レベルで俯瞰して見ると、全く違う分析になるという。

「かつてウクライナはロシアの同盟国でしたが、今やEUやNATO加盟を要求し、反ロシアの立場を鮮明にしています。かつてロシアは東欧を全て友好国としてNATOに立ちむかっていましたが、今やヨーロッパでの孤立は鮮明です。さらにフィンランドとスウェーデンもNATOに加入することが決まり、バルト海に展開するロシア海軍のバルチック艦隊も完全に抑え込まれることになりました。世界地図を見るとヨーロッパ大陸でも中東でも、バルト海でも地中海でも、ロシアが次々と封じ込められているのが分かります。これではウクライナ戦争でクリミア半島を正式に手に入れるなど戦術的な勝利を得たとしても、戦略的には全く釣り合わないことになります」(同・軍事ジャーナリスト)

 ロシアのタス通信は、ロシアのペスコフ大統領報道官が9日、「ロシア軍の基地存続を巡ってシリアの新政権と協議する必要があると述べた」と伝えた。どれだけロシアが事態を深刻視しているか、この報道だけでも浮かび上がってくる。

 関連記事【ロシアの最前線に送り込まれた「北朝鮮軍」が次々に“惨殺”…囚人兵と同じ“捨て駒”扱いの悲惨すぎる実態】では、ウクライナの戦場に投入された北朝鮮軍の特殊部隊「暴風軍団」について詳報している。

デイリー新潮編集部

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