「石丸新党に合流する党員が出る可能性も」 “政界の死神”起用で「維新」に鳴り響く不協和音
日本維新の会の新たな顔に選出されたのは、大方の予想通り、吉村洋文大阪府知事(49)だった。新しいスタートを切った野党第2党だが、共同代表には「政界の死神」と呼ばれる男が就任。内部からは、早くも不協和音が聞こえてくる。
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日本維新の会の代表選は12月1日、大阪市内の臨時党大会で投開票された。吉村氏は約1万票中、約8500票を獲得し、他の3人の候補を圧倒。新代表の座を手にした。
吉村氏は代表選後の記者会見で、
「野党第1党は目指さない。自民党とは1人区で1対1の対決をすべきだ。ほかの野党と協議したい」
などと述べて、馬場伸幸前代表(59)の「全国政党化」路線を修正する方針を早々に示したのだが、
「10月の衆院選で維新は大阪の19ある小選挙区すべてで完勝。吉村氏の人気の高さを見せつけたものの、ほかの地域では退潮が目立ち、公示前の44議席から38議席に後退しました。結果、党内で“馬場おろし”が起こったのです」
とは、政治部デスク。
「大阪府知事の吉村氏が代表に就任したことで、維新はかつて存在した『おおさか維新の会』時代と同様、大阪系議員に重きを置く党に再び逆戻りするでしょう」(同)
“政界の死神”が共同代表に
吉村氏は幹事長に岩谷良平衆議院議員(44)を指名するなど、党三役を40代で固めて刷新感を演出した。しかし、共同代表に前原誠司衆議院議員(62)を起用したことが波紋を呼んでいる。
維新関係者が言う。
「吉村氏は地方の首長ですから、国会議員団を束ねる共同代表が必要なのは分かります。ですが、前原氏は民進党の代表時代に小池百合子東京都知事が率いる希望の党に合流しようとして失敗。民進党を事実上、つぶしています。その後、希望の党、旧国民民主党、教育無償化を実現する会と渡り歩きましたが、どの党も消滅しました」
そのせいで、
「ついたあだ名が“政界の死神”。そんな人物が共同代表に就いて大丈夫なのかと、党内では心配する声が上がっています」(同)
維新所属のさる議員も、
「前原さんはこの間の衆院選前に合流したばかりで、“外様”だからね。しょせんはお飾り。実際に党内外の調整など彼にはできないでしょう」
そう切り捨てる。
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