「雅子皇后」61歳 「紀子妃」との評価を“逆転”させた「親子関係」「公私教育」の相違点

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 12月9日、雅子皇后が61歳のお誕生日を迎えられた。

 それに際し、皇后陛下ご自身が文書で感想を寄せられている。

 文書では、まず、能登半島地震や、世界の気候変動、6月の英国ご訪問などについての感想が記されている。次いで、パリオリンピック・パラリンピック、大谷翔平選手の活躍、被団協のノーベル平和賞受賞、三笠宮妃百合子さまの薨去などについて述べられ、愛子さまのご就職についても触れられている。

〈娘の愛子は、3月に学習院大学を卒業し、4月から日本赤十字社の嘱託職員として勤務を始めました。早いもので、先日23歳になりましたことに、時の経つ早さを感じます。
職場では、周囲の方々に温かく御指導いただき、仕事についてもやり甲斐を感じながら励んでいる様子をうれしく思っています〉

 また、

〈今年の3月には、大学卒業に当たって三重県と奈良県を、そして10月には、初めて一人での地方公務として、国民スポーツ大会のために佐賀県を訪問しましたが、各地で多くの方に大変温かく迎えていただいたことを、愛子も私たちも心から有り難く、また、うれしく思っています。愛子には、これからも健康に気を配りつつ、社会人として様々な経験を積みながら、皇族としての務めを果たすべく努めていってほしいと願っています。皆様には、これからも愛子を温かく見守っていただけましたら幸いに存じます〉

 こうした愛子さまへの温かいまなざしには、国民の、天皇家への信頼も影響しているだろう。今年の世論調査では「女性天皇」への賛成が9割近くにも達するものもあるなど、次の御代での「愛子さま」即位を求める声も高まる一方だ。

 しかし、10年以上前を振り返ってみよう。天皇家、すなわち当時の東宮家は、雅子さまのご病気や、愛子さまの小学校登校を巡る種々のトラブルもあり、冷ややかな報道も少なくなかった。

 一方、そちらと比較されるように、秋篠宮家は「将来の天皇」である悠仁さまがご誕生になられたこともあり、存在感が大きく増していた。

 しかし、現在の秋篠宮家を巡っては、9月11日、紀子さまがお誕生日でのご文書で、秋篠宮家へのバッシングについて、「心穏やかに過ごすことが難しく、思い悩むことがあります」と述べられたほど、時に厳しい視線も向けられている。

 10年間で何があったのか。なぜ「雅子さま」と「紀子さま」の立ち位置は“逆転”したのか。

 その原因について、【前編】では「親子の関係」を指摘する識者の声を紹介した。続いて【後編】では、両家の「公と私」の関係についての見え方の違いについて、考察してみよう。
(「週刊新潮」2021年12月23日号掲載記事を一部編集しました)【前後編の後編】

 ***

「現・天皇、皇后両陛下は、平成の両陛下が築き上げてこられた『国民に寄り添う皇室』を踏襲しようとされていると感じます」

 と述べるのは、静岡福祉大学の小田部雄次・名誉教授(日本近現代史)である。

「例えば、2021年の成年行事で愛子さまは、ティアラを新調せず、黒田清子さんのものを借り受けられました。コロナ禍で苦しむ国民に寄り添うとの天皇家のご意思を感じました。国民統合の象徴という、皇室の在り方を思い起こしました」

 一方の秋篠宮家は、

「一貫して、従来型とは異なる新しい皇室像を目指してこられました。以前の殿下のお誕生日会見でも“時代の変化に即した皇室であることが大切”とおっしゃったように、例えば“大嘗祭は私費で行うべし”など、従来の皇室とは異なったお考えを主張してこられました。お子様方を学習院でなく、ICUやお茶の水女子大附属に進学させられたのも新しいスタイルでした。これにはもちろん賛否両論あるとは思いますが、コロナ禍など先行きの見えない時代にあっては、国民が安心感を抱くのは“平成流”の踏襲の方ではないかと感じます」

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