「マスメディア」以上に「SNS」が社会を揺り動かした2024年…匿名の「心の声」を“信じてしまう”のはナゼか

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 いつか2024年を振り返った時、「SNSの暴走年」だと思う日がくると思うほど、今年はSNSの在り方とユーザーのネットリテラシーについて考えさせられた年だった。

 筆者はネット記事を主軸に書いているライターだ。長くメディアを学び現場に立ってきた身でもあり、時にオールドメディアの報道姿勢に疑問を抱いては、それを反面教師にしながら忖度のない記事を書いてきたつもりだ。

 しかし、今年の東京都知事選や衆院選、そして何より先の兵庫県知事選において「ネットがオールドメディアに勝った」という言説が湧き始めてからというもの、その言説を全力で打ち消すべくオールドメディアの視点に立つという、何とも不思議な状態に身を置いている。

 オールドメディアで働く記者たちの働き方については聞き取りをしたうえで回を改め詳説するが、今回はその前フリとして、SNSの特徴や、それぞれのメディアの課題について紹介したい。これからSNSを始めようとか、仕事でSNSを上手く利用したい、あるいはSNSに興味や関心を抱いている段階という方にも、参考になる情報があると思う。

メディアの重要度・信頼度

 総務省情報通信政策研究所は、毎年13歳から69歳までの男女1500人を対象にした「メディアの情報源としての重要度・信頼度」に関するアンケート調査を行っている。その過去12年間のデータをグラフ化したところ、様々なことが見えてきた。

 まず分かったのが、2023年、初めてインターネット(81.5%)がテレビ(79.7%)を抜いて「最も重要度が高い」メディアになったことだ。要するに、情報収集の媒体として現在最も必要とされているのは、インターネットということになる。

 興味深いのは、こうして最も重要度が高いとされたインターネットの「信頼度」が30%前後から脱しないこと。そして、12年連続「最も信頼度が高い」となった「新聞」の「重要度」が毎年低下している点にある。

 つまりこのデータから類推できるのは、情報は「信頼度」よりも「情報の取得度」のほうが大事であるとされていること。より解釈を広げた言い方をすると、情報の受け手が情報に求めているのは「信頼よりも好み」であるということになる。

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