「海に眠るダイヤモンド」スタッフやセットは“超一流”でも視聴率は“過去最低レベル”の理由

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油断大敵

「スタッフが放送前から油断していたのではないかと思います。脚本の野木さんが放送前に答えたインタビューを読むと、旅先で思いつき温泉で話し合ったなど、緊張感がまるで感じられません。すでに勝った気分でいるかのようでした」

 このインタビューは「海に眠るダイヤモンド」のTBSの公式ホームページにも残っている。

《2018年に『アンナチュラル』で市川森⼀脚本賞の副賞としていただいた長崎旅行に新井順⼦プロデューサーと⼀緒に行った際に、当時の県知事が「ぜひ⻑崎を舞台にしたドラマを」とおっしゃられていたんです。映画のあとに同じ3人で何を作るかというときに、ふと長崎旅行のことを思い出して。「端島が舞台の物語なら日曜劇場になるんじゃないか」と言ったら、新井さんが「ある気がする! 家族も描けるし!」と乗ってきた。じゃあどういう話にしようかという部分は、映画の撮影が終わった打ち上げも兼ねて、塚原さん、新井さんと一泊二日で温泉に入りにいって話し合いました。そのときに、塚原さんが「過去だけではなく現代のストーリーも取り入れて、映画『タイタニック』で、ヒロインのローズが過去語りをするような構図にできないか」とアイデアを出してくれたんです。》

「なんだかユルい。もちろん、そういうノリで当たるドラマもありますが、どうすれば視聴者が喜ぶか、全身全霊で挑まなくては成功は覚束ないものです。相手は視聴率という魔物なのですから。これまで通り上手くいって褒められることしか考えていなかったのではないかと思ってしまいます」

 まさに油断大敵である。

「それでも、このキャストとスタッフで盛り返せないはずがないと期待しています。全10話として残り4話、視聴者を楽しませてもらいたいです。今期の日曜ドラマは、テレビ朝日の『マイダイアリー』(ABCテレビ制作)が歴代ドラマ史上のワースト視聴率を、日本テレビの『若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―』が放送枠史上のワースト視聴率を更新しそうな酷い状況で、ドラマ好きには日曜夜が壊滅状態なのです。伝統の日曜劇場なのですから、昨年7月期の『VIVANT』のように最終回で巻き返すことだってできるはずです」

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