「三億円事件」有力容疑者は“警察官の息子”とされるも…「やつはシロだ」と昭和の名刑事・平塚八兵衛が判断した根拠とは
「どうだ、またケンカしながら三億円をやろうよ」
今年で創立150年となった警視庁で、“昭和の名刑事”と呼ばれた平塚八兵衛氏(1913~1979)は、武藤三男・捜査第1課長(当時)からこう言われ、三億円事件の捜査本部に入ることになる。武藤課長が、捜1課長代理だったころ、吉展ちゃん事件でコンビを組んだ平塚氏は、見事、事件を解決させている。しかし、「柳の下にドジョウはいないよ」と即座に平塚氏は断り、二人は口論となる。そこで、武藤課長が囁いたのは「これはSに関する特命捜査だ」というものだった――(文中の引用は『週刊新潮』連載「八兵衛捕物帳」より。...