いいとも「ウキウキ WATCHING」は20分で誕生 アン・ルイスやトータス松本らを手がけた「伊藤銀次」の音楽人生

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お昼休みはウキウキ…

 沢田やアン・ルイスのほか、多くのアーティストに楽曲提供してきた。中でも「笑っていいとも!」のオープニング曲「ウキウキ WATCHING」(いいとも青年隊)は日本人の耳に長く深くなじんだ。

「タモリさんが四か国語麻雀とか“イグアナ”をやっていた頃でね。そのタモリさんがオープニングでいいとも青年隊の3人をバックに踊りながら歌う歌を書いてくれ、と。小学校の頃に好きだった『シャボン玉ホリデー』の『明日があるさ』みたいな感じはどうでしょうって提案したら、プロデューサーの横澤彪さんが乗ってきた。20分ぐらいで作りました。テレビ主題歌などは通常、手数料払いなんですが、いいとも青年隊がレコードを出してくれて、著作権が発生してラッキーでした」

 今でもライブでこの曲を歌うと会場が沸く。番組が終了して久しくなり、一時は演奏をやめていたが「いいともの曲が聞きたかった」という声が多く、復活させた。

印象に残る「ウルフルズ」

 ウルフルズでは「ガッツだぜ!!」や「バンザイ ~好きでよかった~」などをプロデュースした。仕事に限界を感じていた頃に出会った彼らは、特に印象深いという。

「いいアレンジをしても、出来上がりを聴いてがっかりすることもあった時期に、ウルフルズを見に行った。すぐに、レコーディングだけじゃなく、根本的にアプローチして全部やりたいとレコード会社にお願いしたんです」

 トータス松本の作る曲に魅力を感じた。それをどう料理し、最もインパクトのある曲にするか。提案すれば、松本からはどんどんアイデアが出てきた。自身ではウルフルズのプロデュースを「100点」と自賛するが、メンバーからは「銀次ヨットスクール」と呼ばれる厳しさだったとも。

「OKをなかなか出さなかったんです。意地悪しているわけじゃなく、ちょっとやればどんどんトータス君から良いものが出てくるので諦めたくないと」

恒例のクリスマスライブで鈴を鳴らす

 自身のバンド活動も続けている。クリスマスイブが誕生日であることにちなんだ恒例の「伊藤銀次のWINTER WONDER MEETING」を、今年も12月25日に東京・吉祥寺のライブハウス「吉祥寺STAR PINE’S CAFE」で開催する。クリスマスソングの「雪は空から降ってくる」に合わせ、ファンが持参した鈴を鳴らす光景が年末の風物詩ともなっている。

 さらに年明け1月11日には東京・渋谷の「B.Y.G」でスカートの澤部渡とツーマンライブ。これまで培ってきた音楽業界でのありとあらゆるものを若い世代に伝えていくことに今後も力を注ぐ。

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 第1回【主役より“脇”が気になった少年が切り開いた音楽の道――伊藤銀次、ビートルズとの出会いとプロへの第一歩】では、歯科医になる道を諦め、音楽で生きていく決心をした様子について伊藤が語っている。

デイリー新潮編集部

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