楽天・三木谷氏の「ヴィッセル神戸」を反面教師に? 「町田ゼルビア」の“泥臭い”戦略
ヴィッセル神戸が天皇杯を制した。J1も首位で、昨季に続く連覇まで残すは2戦。去年アンドレス・イニエスタが退団してからがぜん強くなった感がある。
【写真をみる】“泥臭い”やり方を選んだのは…楽天・三木谷氏に並ぶ「メガベンチャー社長」
ただ今季は、J2から昇格した町田ゼルビアが何かと話題を振りまいている。
「神戸のトップが楽天の三木谷浩史会長兼社長であるのに対し、町田の社長兼CEOはサイバーエージェントの藤田晋社長。ともにIT長者ですが、強化策は対照的でした」
とスポーツ紙記者が語る。
金満か泥臭さか
神戸は2018年、スペインで活躍するイニエスタをJリーグ史上最高額の推定年俸32億円で獲得。世界的に注目された。J1全体の観客動員にも貢献し、他クラブもホクホクだった。
「ただ、いかんせん彼は守備を怠ける。それを補うだけの点を取ってくれればいいのですが、そうでもなく、チームは伸び悩んだ」
その惨状を藤田氏は反面教師にしたのだろうか。
「町田がJ1への昇格を決めると、“藤田さんの財力でイニエスタ級のスター選手を獲得してくれるのでは”と各クラブが期待を膨らませたのですが、地味な補強に終わりました」
J1で町田が見せるサッカーは、J2から這い上がった時と同じ“泥臭い”サッカーだった。
「高校強豪校の青森山田を指揮していた黒田剛監督のもと、Jリーグでは珍しい超ロングスローを多用。ペナルティーキックで、GKの手が滑るようボールに水をかけたこともありました」
これらの行為は多くの批判を浴び、とりわけ天皇杯の筑波大戦で黒田監督が敵のマナーに苦言を呈した際には、“お前が言うな”の大合唱となった。
「その後も町田の監督や選手への誹謗中傷が収まらず、10月にはクラブが東京地検に刑事告訴する事態に発展しています」
現在3位の町田は、優勝にいちるの望みを残している。