「決着をつけましょう」と柳葉敏郎を説得…亀山千広Pが明かす「室井慎次」二部作を“家族の物語”にした理由と、「踊る」の“次”

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「室井慎次 敗れざる者」と「室井慎次 生き続ける者」が大ヒットを記録している。本作は「踊る大捜査線」シリーズの最新作だが、あくまでスピンオフという位置付けで、続編というわけではない。しかし、前者は公開27日間で観客動員数100万人、興行収入14億円を突破。11月15日に公開されたばかりの後編「室井慎次 生き続ける者」も、初日から3日間で観客動員約27万人を記録するなど、いまだ踊るシリーズの人気が健在であることを示している。「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」から12年。なぜいま最新作に踏み切り、どうして室井慎次に焦点を当てようと思ったのか――。BSフジ代表取締役社長であり、「踊る大捜査線」のプロデューサーを務めた亀山千広氏に話を聞いた。【我妻弘崇/フリーライター】

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きっかけは「踊る」シリーズ脚本家の一言だった

「『踊る大捜査線』に登場した演者の方々が、他の映画やドラマに出演しているのを見たとき、『もし踊るに登場したら今はどうしているんだろう』といったことを、ふと思うことが少なくなかったんですね」

「踊る大捜査線」の生みの親であり、「室井慎次 敗れざる者」、「室井慎次 生き続ける者」の両作でプロデューサーを務める亀山千広氏(以下、敬称略)は、そう語る。

「踊る大捜査線」は、1997年にテレビドラマとして放送されると、最終回では23.1%の高視聴率を記録する。翌年、劇場版「踊る大捜査線 THE MOVIE」が制作されると、観客動員数700万人を超える大ヒットとなり、2003年には続編となる「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(以下、「踊る大捜査線 THE MOVIE2」)を公開。

 観客動員数1260万人、興行収入173.5億円という前作を上回る記録は、今現在も実写邦画日本歴代興行収入第1位を誇るほど。スピンオフ作品を含めた劇場版6作のシリーズ累計興行収入は、487億円(観客動員数3598万人)という金字塔を打ち立て、2012年に公開された6作目「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」で幕を下ろしたはずだった。

「一昨年の12月に、『踊る』シリーズで脚本を務めてきた君塚良一さんから『室井の終焉を描きたい』といった連絡がありました。実際に会って話をすると、君塚さんは『室井に責任を感じている』といったことを話された」(亀山、以下同)

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