「ひとり欠けるたびに自分の身体の一部が欠損したような気に…」 横尾忠則が同級生との想い出を振り返って考えたこと
この間、久し振りに郷里の西脇(兵庫県)に行ってきました。コロナ以後では初めてです。僕は10代まで西脇にいましたが、70年前の面影は全くありません。町から人が消えたように、人影がまばらで、車だけが国道を通り過ぎて行きます。
かつては織物の産地で地方から出稼ぎに来た女工さん達が1万人もいて、日曜日になると町は若い女性で溢れていました。家の近くには旭町通りという商店街があって、いつも賑わい、辺りはお化粧の匂いが漂よっていて、本当に活気のある町だったのですが、今ではその商店街には人っ子一人もなく、シャッター街で、昔の記憶にある店の看板が傾いていました。...