「折田社長に責任を負わせようとしている」 上脇教授が刑事告発に踏み切った斎藤知事側の「あり得ない釈明」

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「不自然に折田氏側に責任を負わせようとしている」

 こうした事態に発展することを恐れたのか、折田氏は投稿直後から、姑息に当該記事の内容を修正することに精を出した。

 その記事をウォッチし続けてきたという、ジャーナリストで作家の鈴木エイト氏によれば、

「折田氏が斎藤陣営から広報全般を任されたことや、彼女のPR会社からの提案、それを受けた斎藤知事の反応などの記述が消されました」

 ところが、件の釈明会見で奥見弁護士は、記事の修正について、

「まったく把握しておりません」

 と吐露してしまった。集まった記者から「話にならない」「ここに斎藤知事を連れて来て」「出直すべきだ」などと、怒号が飛び交う有様だったという。

 思想誌「表現者クライテリオン」編集長で京都大学教授の藤井聡氏によれば、

「斎藤知事の弁護士は、どんどん修正が加えられた記事の最終版しか読まずに会見に臨み、“公選法違反ではない”と言っている。何が法的に問題なのかを知らないので、具体的に何がうそなのかも指摘できていない。全く説明になっていないのです」

 鈴木氏は、こうも言う。

「斎藤知事は自分の口で語らず完全に代理人任せ。不自然に折田氏側に責任を負わせようとしています。今後の捜査などで法的な責任は問われていくでしょうが、道義的責任として、あれだけ自分の選挙に献身的に関わってくれた人に対して冷た過ぎやしないでしょうか。これまでのパワハラ疑惑や公益通報に対する対応を含めて、自分を支えてくれた人を守るという認識が薄い。そういう人が行政のトップにいるのはいかがなものでしょうか」

 代理人が会見で墓穴を掘り、自ら馬脚を現した格好の斎藤知事――。追い詰められた折田氏も、ここまできたら「肉を切らせて骨を断つ」の意地を見せ、真実を語るしかないのではなかろうか。

藤井教授が指摘している「最終版」とオリジナルとの差については、後編【折田社長の姑息な「証拠隠滅」作業の全容 「斎藤陣営に広報を任されたという記述が消された」】に詳しい。後編では、SNS上での大炎上を目の当たりにした折田社長が証拠隠滅を図った“修正作業”の全容を報じている。

週刊新潮 2024年12月12日号掲載

特集「恩人の『美人社長』をさっさと見限って…刑事告発された斎藤元彦知事が“釈明会見”で堀った墓穴」より

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