石破首相の演説を聞き流す自民党議員たち 「しっかり支えて」という申し送りがあったのに
やけに静かな与党席
“この事態”というのは、議場を見渡す限りの悲しい光景である。首相が語り始めると、野党席からはいつも通りのやじが飛ぶが、与党席は妙に静か。よくよく見ると、あちらこちらで目を瞑る議員たちのいかに多いことか。寝ているかどうかはともかく、少なくとも真剣に聞いている感じではない。議席の最上段では菅義偉(76)、岸田文雄(67)両氏の首相経験者が禅僧のごとく微動だにしない。
しかしさすがは重鎮だけあって、眠っているとも沈思黙考しているとも見える姿勢を維持。このあたりは熟練のスキルが感じられるところだ。
一方で、その少し下、自民党組織運動本部長の小渕優子氏(50)はかなり露骨に首を落としている。総裁の座を争った河野太郎前デジタル相(61)も同様のポーズだ。
居眠りはいつもの光景で珍しくもないとはいえ、うつむきがちな議員が多いのは現在の党勢を象徴しているのだろうか。
確認できた範囲で最も激しい首の傾きを示していたのは谷公一氏(72)。元国家公安委員長の推定傾斜角度は85度である。
ところで石破首相が所信表明の冒頭と最後で引用した石橋湛山だが、彼は突然の脳梗塞のため65日で政権を降りている。今月5日、石破首相の在籍日数は66日となり、とりあえずこの点では“石橋超え”を達成したことに。
次は宇野宗佑元首相の69日だが、こちらもクリアは確実だろう。