石破首相の演説を聞き流す自民党議員たち 「しっかり支えて」という申し送りがあったのに

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 11月29日、石破茂首相(67)にとって2度目の所信表明は、石橋湛山元首相のかつての演説の引用から始まった。〈国政の大本について、常時率直に意見を交わす慣行を作り……世界の進運(しんうん)に伍していくようにしなければならない〉。

 時代がかった言い回しに、若い議員たちは面食らったはずだ。シンウンなんて言葉は普段は耳にしない。が、そんなのお構いなしに首相は、いつものスローな口調で所信を述べ続けるのであった。

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 聞いている方はきっと退屈なのだろう。閣僚席の中谷元防衛相(67)と村上誠一郎総務相(72)は、心配そうに演説の行方を見守る。

 所信表明演説といえば、いつもなら野党席からはやじが飛び、与党席からは拍手や「ヨシッ!」といった威勢のいい掛け声が発せられるものだが、第216回臨時国会は始まる前から様子が変だった。

「所信表明演説が始まる前の自民党代議士会で、首相をしっかり支えていきましょうという申し送りがありました。あまりに当然のこと過ぎて、普段はそんなことは言われないのですが、もしかしたら、“この事態”を執行部は予想していたのかもしれません」(政治部記者)

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