まさかの「党名変更」の可能性も “レジェンド”が緊急入院していた「共産党」衰退の運命

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 現存する日本最古の政党は、大正11年に非合法組織として成立した日本共産党だ。結党から102年を経て、いよいよ組織の退潮が顕著になりつつある。

散歩中に倒れて

「象徴的な出来事が、党委員長や議長を歴任し、“レジェンド”と称される不破哲三氏の緊急入院です」

 とは政治部デスク。

「11月20日の午前中、神奈川県の自宅近くで倒れているところを発見されました。散歩に出たまま帰宅せず、家人が探しに出て見つけたとか。東京都あきる野市の病院に救急搬送され、低体温症と診断されましたが、幸い命に別条はなく、すでに退院しています」

 長らく党の“理論的支柱”だった不破氏も御年94歳。今年1月の第29回党大会で中央委員から外れ、指導部から引退していた。

「当日は最高気温が10度を下回る厳しい寒さで、発見が遅ければ命の危険もあった。その日の内に各社が入院情報のウラ取りに走りましたが、記事化した社は皆無。若い政治部記者には“過去の人”なんでしょう」

 過去に何度か“危篤説”が浮上した不破氏は、動静が表に出ないことで知られる。4年前の党大会で発言した際には“14年ぶりの発言”と報じられたほどだ。

「いまでも大きな案件を決める時は報告するが、不破さんからあれこれ意見がつくことはない。体力的にもかなり難しくなっているようだ」(共産党幹部)

“赤旗砲”報われず

 共産党は今年1月、国政選挙や統一地方選における長期低迷からの脱却を目指し、委員長を志位和夫氏から田村智子氏に交代させた。

 先の政治部デスクが言う。

「衆院選における比例代表の得票は前々回が約440万票、前回が約417万票、今回が約336万票と落ち込みぶりが顕著です。党員数も最多とされる平成2年の約50万人から半減するなど高齢化が進行中。その影響で、党収入の9割近くを占める機関紙『しんぶん赤旗』の読者数も全盛期の4分の1以下に減っているとか。得意の組織戦が通用しなくなっているのです」

 総選挙では23年ぶりの世代交代に加え、「しんぶん赤旗」の連続スクープによる得票増が期待された。“赤旗砲”は、安倍晋三政権時代から「桜を見る会」の“私物化疑惑”を暴き、一昨年11月に自民党派閥のパーティー券収入不記載問題を報じてきたためだ。

「先の衆院選の終盤には、非公認候補が代表の支部に自民党が2000万円の政党交付金を振り込んでいたことをスッパ抜きました。自民党幹部は“アレにとどめを刺された”と、与党が過半数割れに追い込まれた要因と認めていましたね」

 結果、与党を惨敗に追い込んだが、他方で共産党はその受け皿にはなり切れずじまい。同党が議席数を公示前の10から8に後退させる一方、立憲民主党や国民民主党は大躍進を遂げた。

「田村委員長は“自公過半数割れという歴史的な選挙結果のMVPは赤旗と共産党だと評されている”と強気に総括した。が、あまりに苦しい言い分です」

 委員長のクビをすげ替えたぐらいで党勢は上向かず、内部では「党名変更」という奇策が取り沙汰され始めたとも。代々木の別称でも知られる“老舗”が、屋号を捨てる日は来るのか。

週刊新潮 2024年12月5日号掲載

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