電撃退団の「田中将大」だけじゃない…波乱が続く「楽天」の“年俸”を巡る複雑な事情
三木監督が着手した「野村教室」
「三木監督はフェニックス・リーグに参加した選手たちにレポートの提出を求めました。見つかった自身の課題、それにどう取り組んでいくのかなどの内容です。文字にすることで学び、覚えることが多いという、野村克也氏の教えによるものです。物足りないレポートであっても監督は全てに目を通し、選手個々と面談をする際にも使いたいと言っていました」(スポーツ紙記者)
野村氏がヤクルト、阪神、楽天で指揮を執った際、ミーティングの内容をメモする作業に苦労した選手は大勢いたが、誰もが「後の財産になった、選手生活の糧になった」 と話している。こうした三木監督によるチーム改革は進められているが、今回の田中退団によるファンの批判が消えたわけではない。
去る11月27日のこと。契約更改を終えた選手会長の田中和基(30)が記者団に前に現れ、笑みを見せた。今季出場試合数は68、打率1割2分9厘。本塁打ゼロ、打点1。スタメン出場はわずか1試合だ。大幅ダウンも覚悟して更改に臨んだが、提示された新年俸は推定3000万円。900万円のアップ提示である。
「選手会長としてチームを引っ張り、まとめたことを評価していただきました」
田中和基は申し訳なさそうに答えたが、球団は数字以外のところもしっかり評価していたわけだ。田中将大がいなくなったから出せたのか。田中和基の説明通りだとすれば、楽天球団は選手を大切にする“ホワイト企業”ということになるが。いずれにせよ、再登板の三木監督が着手した「野村教室」はすぐに結果が出るものではない。金看板・田中将大のいなくなったチームの再構築は始まったばかりだ。
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