斎藤知事はそろそろPR会社女性社長を切り捨てる? 「問題投稿」が削除されない本当の理由とは

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正しければ謝る必要はないという斎藤知事と似た思考が生んだ暴走とリスク

 周囲が何を言おうと決して自分を曲げない折田氏の姿勢は、パワハラ騒動の時の斎藤知事とも重なる。告発後に自殺をした部下に対し「当時としては適切な指導」と繰り返し、「道義的責任が何か分からない」と淡々と語る様子は、大きな批判を浴びた。

 しかし結果は再選。大手メディアが報じない議会の闇があったなどさまざまな情報が駆け巡っているが、折田氏にとっては今までの行動を肯定してくれる出来事に映ったのではないか。自分が正しいと思うなら弁解する必要はない。ライバルや関係者が眉をひそめようと関係ない。自分が正しいことは必ず証明されるのだ、と自信を持ったことだろう。

 ただ今後は、刑事告発状が提出されたことにより、折田氏にも何らかのアクションが求められてくる。もっとも、折田氏が反論しようがしまいが、斎藤知事が罷免されるようなことにはならないという冷めた見方をする有識者は少なくないようだ。ならばおとなしく時が過ぎるのを待ち、「言われなき中傷にさらされた悲劇のヒロイン」という自己PRプロジェクトに切り替える準備を進めた方がいいに違いない。映画はともかく、ここまで時の人となれば、自伝本のオファーはすでに来ているのではないだろうか。

 ただし政治の世界はそんなに甘くはないことも確か。金子恵美元衆議院議員は「めざまし8」で、口頭契約だったという斎藤知事の弁明に関し、「業者」という言葉を使って折田氏の立場に触れた。100万円を超えるブランドバッグを持ち、ハワイで豪遊し、観光動画に出演できる美貌のキラキラ社長であっても、政治家からすれば一介の「業者」に過ぎない。いくらでも替えの利く下位の人間という意識を政治家側が持っていることが透けて見えた。

 折田氏に対しては「戸惑っている」というコメントにとどめていた斎藤知事。でも自分の正しさを証明するためなら、他人の心情など切り捨てても構わないという思考が変わったとも思えない。状況によっては最後に「刈り取ら」れるのは、折田氏自身かもしれないというリスクを、彼女はどこまで分かっているだろうか。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

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