斎藤知事はそろそろPR会社女性社長を切り捨てる? 「問題投稿」が削除されない本当の理由とは

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 斎藤元彦兵庫県知事(47)の再選をブレーンとして支えたとされるPR会社女性社長。厳しい批判を浴びながらも彼女が問題投稿を消さない理由とは――。【冨士海ネコ/ライター】

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 斎藤元彦兵庫県知事の再選を、「ボランティア」で支えたPR会社「merchu」代表・折田楓氏への批判が止まらない。度を超えた承認欲求で、斎藤知事を再び疑惑の人へと引きずり下ろした「キラキラ広報女子」として、好奇と嫌悪の視線を一身に集めている。

 騒動の発端となったのは折田氏のnote。SNS運用を中心に「広報全般を任せていただいた」と詳細を明かした。しかし仕事として有償で請け負っていたならば公職選挙法に違反すると指摘を受け、斎藤知事は「ボランティア」と否定した。記事のいくつかの部分は修正・削除されたようだが、「種まき・育成・収穫」というマーケティング業界用語を用いた説明箇所は、「有権者を農作物扱いか」と不快感を示す声も上がっていたよう。さらに今月2日には大学教授らによって、公職選挙法に違反すると、斎藤知事と共に刑事告発状を提出される事態にまで発展してしまっている。

 11月27日に行われた斎藤知事の代理人弁護士による会見でも、折田氏の会社とはポスター制作以外は契約が無く、それ以外の運動は全てボランティアだとして、改めて公選法違反には当たらないとの見解を示した。「折田氏の記事は“盛っている”」とまで突き放したものの、折田氏サイドは無言を貫いている。取材も軒並みNGとのことで、ただただ彼女がいかに「承認欲求モンスター」かという記事が増えるばかりだ。

 ただこれだけ炎上してもなお、折田氏は問題のnote記事を取り下げていない。Xのトップで記事へのリンクを固定しているだけでなく、インスタでは、noteでは削除した「(斎藤知事が)オフィスに現れ」「私のご提案を聞きに」という疑惑を呼んだ文章がまるまる残っている。この心理をひろゆきさんは「(炎上によって)自分の財産になるものは何かと考えたとき、ずっとそのツイートを載せて、フォロワーを増やすことを選んだ」と分析していたが、一理あるように思う。ひろゆきさんの想像に付け加えるなら、折田氏は「自分は間違っていない、だから記事そのものを消す必要はない」とも思っているのではないか。

 今は削除されているが、折田氏のnoteには「いつか映画化されないかななんて思ってます!笑」と言う締めの一文があった。「笑」と付けているが、結構本気だったようにうかがえる。広島市の「ひろたび」と称した観光プロモーション動画では、自ら女優として出演。インスタでもサンフレッチェ広島のユニフォームをまとい、ホームグラウンドをノリノリで紹介する動画があった。「私を見て! 私すごいでしょ?」と言わんばかりの行動原理を、出身大学である慶應湘南藤沢(SFC)に結び付ける記事も少なくないが、それこそSFCには“ビリギャル”という、経歴が映画化された先輩がいる。

 そう考えてみると、今は折田氏の「育成」フェーズに入っているのかもしれない。自分をヒロインにした映画化という、壮大な自己PRプロジェクトの、である。

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