「今までの仲を壊したくない…」 交際に踏み出せなかった33歳が“逆プロポーズ”したワケ

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 人生いろいろ、家族もいろいろ、幸福の形もいろいろ。近年、「結婚がゴールではない」という声も大きくなりつつあるとはいえ、ゴールインした二人には幸せになってほしいと思うのが人情というものだろう。

 そして、そのゴールに到達するまでには、十人十色のドラマがあるのは言うまでもない。目下、幸せに包まれているカップルにエールを送りつつ、出会いから現在までを根掘り葉掘り聞いてみる「令和の結婚事情レポート」。

 今回登場していただくのは、レーシングドライバーの木村建登(けんと)さん(31)とまなみさん(33)。

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第一印象は「奇麗な人」

 出会いは2015年春。大学生だった建登さんのアルバイト先のタイヤ販売店に、まなみさんが三菱のコルトラリーアートに乗って現れた。コンパクトなラリー仕様車である。

「奇麗な人が速そうなスポーツカーに乗ってきた!」

 建登さんのまなみさんに対する第一印象。彼女は、マツダのロードスターで国際サーキットを走るチームに仲間と所属していた。

 その年5月に大阪で開かれた車の走行会イベント。ともに現地在住で、建登さんは参加者、まなみさんは主催者の側にいた。ここで二人は再会し、連絡先を交換する。

 建登さんは大学卒業後、三重県の四日市市で職を得て、一人暮らしをスタート。大学時代から体育会の自動車部でレースに参戦していた彼は、就職後も近くの鈴鹿サーキットでレースに出るなどしていた。

 まなみさんからは時折、思い出したように連絡が来る。建登さんは鈴鹿でのレースに彼女を招いたり、自身の郷里である大阪に行った際には彼女を食事やドライブに誘ったりしていたが、それ以上の関係には発展しなかった。

交際に踏み出せなかった理由

 19年末、建登さんが当時勤めていたレーシングシミュレーターショップが閉店することに。東京本社への転勤の打診もあったが、家業を手伝う考えもあったため大阪への転勤を選ぶ。この決断の背後には「大阪にはまなみさんもいるしな」という思いもあったという。

 その後もちょくちょく連絡を取っていたものの、20年に入ってコロナ禍が襲うと、会う頻度は年に1~2回ほどに。お互いに「車仲間として信頼できる今までのつながりを崩したくない」との思いがあって、交際に踏み出す勇気は持てずにいた。

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