「減税したら税収が増えるというのは幻想」 過去にアメリカも大失敗…「現在よりもインフレで苦しむ人が出るリスクも」
「減税したら税収が増えるというのは幻想」
慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授の小幡績氏もこう語る。
「岸田文雄前首相の時の減税策は単年度でしたが、玉木さんの政策が実現すると、今後毎年約7兆円もの税収減になる。外国為替の含み益を使って今年は間に合ったとしても、来年や再来年はどうするのでしょうか」
また、手取りが増えるなどすれば「法人税も消費税も所得税ももっと伸びるでしょう」と玉木代表はXで主張しているが、
「減税したら税収が増えるというのは幻想で、過去ほとんどの国で失敗しています」
と、小玉氏は指摘する。
「代表的なものがアメリカのレーガン大統領がやったレーガノミクス。減税することで景気が良くなって税収が増える、という考えをそのまま実践したところ、結局は大幅な財政赤字、経常赤字に陥り、有名な『双子の赤字』という状態になってしまいました」
「立ちどころに財政破綻する」
約7兆円の税収減のうち約4兆円は地方税ということで地方自治体への影響も多大である。実際、宮城県の村井嘉浩知事はすでに、
「立ちどころに財政破綻するだろうと思う」
と懸念を示している。
「短期的に見ると景気にプラスになったとしても、長期的に見ると地方を中心に財源に困ることになり得ます」(前出・小幡氏)
次ページ:「インフレで苦しむ人がたくさん出てきてしまうリスクも」
[3/4ページ]