新米「5キロ4000円」を尻目にカルフォルニア米は「1609円」…コメ高止まりで消費者は苦渋の“外国米シフト”、農家も「全く収入が増えない」負の連鎖

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最後は安全保障の問題

 農家の取材を続けているフリーライターは「コメの販売価格が高止まりしても、農家の皆さんは『収入は増えてません』と口を揃えます」と言う。

「コメの取引価格は等級も複雑に絡み、『まるでブラックボックス』との声は根強いのです。もし令和の米騒動でコメ農家が儲かっているのなら、新規参入者が増えても不思議ではありませんが、農村でコメ作りの担い手は減る一方です。農家の方々に『都市部ではカルフォルニア米や台湾米が売れているようです』と伝えても、『コメがこれほど高いと仕方ないよね』と、むしろ理解を示してくれたのが印象に残りました」

 ただし、とある農家からは「外国米を買う気持ちは分かるが、コメを食べる人が減れば作る人も減る。最後は安全保障の問題に行き着くことは忘れないでほしい」と言われたという。

「つまり食料自給率の問題です。日本でカルローズや台湾米が人気になれば、他国に主食の生産を委ねることになります。有事が発生してコメの輸入が困難になり、日本国内でコメを作る人がいなければ日本人は餓死するより仕方ありません。コメの販売価格が高止まりしても農家にそれほどの恩恵はなく、消費者のコメ離れは進む一方なのだとすれば、農水省の減反政策は完全に間違っています。国を滅ぼしつつあると言っても過言ではないのです」(同・ライター)

 農林水産省の元官僚でキヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「実質的には続いている減反政策を止め、コメの生産量を伸ばして販売価格を下げる。国内余剰分は輸出すべき」と主張している。消費者だけでなく、やる気のある農家にとっても理想的な提案のように思えるが、農水省の反応は鈍いようだ。

デイリー新潮編集部

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