新米「5キロ4000円」を尻目にカルフォルニア米は「1609円」…コメ高止まりで消費者は苦渋の“外国米シフト”、農家も「全く収入が増えない」負の連鎖
何もしない農水省
江藤拓農水相は11月22日に記者会見を開いた。この日に消費者物価指数が発表されたため、記者は当然、コメの異常な価格上昇を質問した。
「江藤さんは『息子が3人います』と言い、子供が育ち盛りの時は1日に2回、ご飯を炊いたとの思い出話を語りました。さらに『米の値段の上昇を深刻に受け止められている方々がおられると思います』と理解を示すような発言もありました。しかし結局は農家で生産コストが上昇していることを強調し、コメの価格に農水省が一定の責任を負っていることは認めながらも、《民間の取引状況、需給状況、価格動向をこれからもしっかり見ていく必要がある》と述べるに留まりました。要するに何もしないというゼロ回答だったのです」(同・記者)
庶民が悲鳴を上げても国は何もしない。こうなれば自衛の行動を取るのは当然だろう。これまでにもパスタなど麺類の購入を増やす「コメの買い控え」が指摘されていたが、最近は「外国米へのシフト」も鮮明だ。
「都内のスーパーを見ますと、1993年の『平成の米騒動』で緊急輸入されたタイ米、つまりジャスミンライスは意外に高いことに気づきます。2500円で買える店はほとんどなく、2000円台の後半から3000円というところでしょう。93年に比べると、家庭でエスニック料理を作ることが増えたことも原因の一つなのかもしれません。そのため『令和の米騒動』で注目を集めているのはカルフォルニア米と台湾米になります」(同・記者)
1609円と2797円
TBS NEWS DIGは6月17日、「アメリカ産の米『カルローズ』日本産との違いは?国産米の価格高騰で「低価格帯のコメは品薄」【Nスタ解説】」との記事を配信した。
「カルフォルニア米の『カルローズ』に注目した記事です。TBS系列で平日の午後4時53分から放送されている『Nスタ』の放送が元ネタで、放送時間から分かる通り、主婦層を意識したニュース番組です。番組では6月16日、都内のスーパーでカルローズが5キロ1609円で販売されていたと報道。食べた出演者は『言われないと気づかない』と感想を述べ、ピラフや炒飯、カレーで食べるのがお勧めと伝えました」(同・記者)
11月12日に台湾米の販売を発表したのは大手スーパーの西友だ。関東地域の138店舗で台湾産米「むすびの郷」を取り扱うという。
「日本のコメは短粒種で、ジャスミンライスは長粒種です。一方、カルローズは中粒種なので日本のコメとは食感が違うのですが、外食産業では日本米とカルローズを混ぜたブレンド米を使うところもあります。そのためジャスミンライスを食べたことがない人でも、実は知らずにカルローズを口にしている可能性があるのです。一方、西友が輸入した台湾米は日本と同じ短粒種です。西友も『ほぼ国産米に近い』と説明しており、国産米より2割程度、安い価格で店頭に並べるようです。Xには税込みで2797円の値札を撮影した写真が投稿されていました」(同・記者)
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