新米「5キロ4000円」を尻目にカルフォルニア米は「1609円」…コメ高止まりで消費者は苦渋の“外国米シフト”、農家も「全く収入が増えない」負の連鎖

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 農林水産省は「国民の皆様に安全で安心な食料を供給する責任を負っている役所」なのだそうだ。確かに異論のある人は少ないだろう。ならば「コメの価格が急激に上昇し、全く下がりません。だが生産コストの上昇が原因の一つなので、特に何もしないつもりです」という農水省の方針はどうだろうか。

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 今年8月、コメが店頭から消えた。記憶に新しい「令和の米騒動」だ。農水省は「新米が出回れば、コメは再び店頭に並ぶ」と説明した。それは間違ってはいなかったが、消費者は価格の“高止まり”に泣かされることになった。

 Xにも切実な声が投稿されている。一部をご紹介しよう。《米、高い!以前の10キロの値段が5キロの値段》、《新米5キロ4,000円超えで すっかり高級食材と化してるよ》、《なんで主食がこんなに高いのよ》──。担当記者が言う。

「昨年の秋、都内ならコメは5キロ2000円から2500円の間で販売されていました。ところが今年の9月は3500円まで上昇し、その後も全く下がりません。11月7日に実質賃金の9月分速報値が発表されましたが、2カ月連続のマイナスとなり、物価上昇に追いつけていません。特に人気銘柄の新米となると、5キロ4000円というケースさえあります。これを気軽に購入できるほど高収入の家庭は、それほどないでしょう」

 消費者にとって悪いニュースはさらに続く。農水省は11月19日、コメの出荷団体と卸売業者が売買する際の価格を示す「相対取引価格」を発表した。10月の全銘柄平均は玄米60キロあたり2万3820円で、これは近年稀に見る高値なのだという。

「コメは安くなる」と嘘をついた政府

「これまで年平均で最高価格を記録したのは1993年でした。大凶作が原因で、『平成の米騒動』と呼ばれた年です。40代以上の方なら、タイ米が緊急輸入されたことをご記憶でしょう。あの時は物理的にコメが足りなかったわけですから高値は理解できます。ところが今はコメがあるのに高値です。理解できない消費者がいるのは当然です」(同・記者)

 産経新聞は11月20日の朝刊に「コメ取引、10月も高値圏 1993年『米騒動』超え 政府予測外れる」との記事を掲載。「新米が出回れば価格は下がる」という政府の見通しは外れたと伝えた。全国紙のため「外れた」と上品な表現を使っているが、その背景を知れば政府・農水省が国民に嘘をついたと言われても仕方がない。

「廃止されたはずの減反政策は実質的には継続しており、これがコメ価格の高止まりの原因だと専門家も指摘しています。そして価格の高止まりは消費者物価指数にも影響を与えており、まさに全国の家庭の財布を直撃しています。総務省は11月22日に10月の消費者物価指数を発表しました。その中で『米類』は何と58・9%の上昇を示し、比較可能なデータがある1971年以来、過去最大を記録したのです。Xのコメが《高級食材と化している》という投稿は決してオーバーではありません」(同・記者)

 ところが農水省は、まるで他人事なのだ。

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