なぜモテる?結婚後も「女社長」「専業主婦」らと次々に “オレって孤独”とつぶやく40歳夫が達した境地

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認知はしたが、籍は入れずの8年間 その間も…

 彼はこういったことをすべてオーナーには話している。だがオーナーはいつも「いいんじゃない?」「おもしろい」と言うばかり。人生なんて、その場の勝負の連続。危ない橋だって渡ってみればたいしたことではないかもしれないというのが口癖だった。

「オーナーと話していると、人生で大変なことなんて何もない気がしてくるんです。不思議な魅力のある人でした。波乱があったほうが人生は楽しいよと。でもあの人は他人の人生をおもしろがって見ていただけかもしれませんが」

 ミチコさんとの間に男の子が生まれた。彼は認知したが、離婚できないので結婚はできない。だがミチコさんは結婚にはこだわらなかった。8年ほどともに暮らしたが、その間、彼は「迫られると断れない」のが徒となって、何人かの女性と浮気した。それでもミチコさんに責められたことは一度もない。

「30代半ばになって、オーナーが僕にバーを一軒任せてくれることになった。内装も好きなようにしていいと言われて、渋い雰囲気に改装してもらいました。心機一転したら、またなんだか女性運が変わったみたいで……」

次のお相手は専業主婦

 裕造さんは照れたような笑みを見せた。こういうところはなかなかの人たらし系ではある。次の相手は、体がなまるので始めたジム通いで知り合った女性だった。彼が行く昼の時間帯に来ていた瑠美さんは、子どものいない専業主婦で、彼曰く「常に全身から、肉体的な欲求不満が漂っているような女性」だった。それが彼女の魅力にもなっていた。

「相手も結婚しているのだから、関わったらまずいことになるのは目に見えている。それなのにそこへ飛び込んで行ってしまったんですよ」

 体の相性がピタリと合った。そこまで肉体的な相性がいい女性は初めてだった。こんなことがあるのかというくらい、毎回、驚きの連続だったという。彼の様子がおかしいと勘づいたミチコさんから疑惑をぶつけられたとき、彼は素直に認めた。婚姻届を出していない関係なのだが、ミチコさんが怒るのもやむを得ないとは思っていた。

 彼はある日、家に戻らず、アパートを借りた。そこへ瑠美さんが通ってくるようになった。

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