「ポスト出川哲朗」の道は選ばず…「R-1」に参戦した「ふかわりょう」50歳の境地とは

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11月、予選1回戦に出場

 ピン芸日本一を決める「R-1グランプリ」は、個人で活動する若手ピン芸人にとっての登竜門である。漫才コンテストの「M-1グランプリ」に比べるとややマイナーな印象はあるが、お見送り芸人しんいちをはじめとして、この大会で優勝したことをきっかけに飛躍的に仕事を増やす芸人もいる。

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 来年初頭に行われる「R-1グランプリ2025」の予選は、今年の11月に始まった。ここで1人のベテラン芸人の出場が話題になっていた。それがふかわりょうである。ふかわは11月22日に東京・エコー劇場で行われた予選1回戦に出場して、予選通過を果たし、2回戦に駒を進めた。主に芸歴10~20年以内の若手芸人が参加しているこの大会で、芸歴30年、年齢50歳のふかわが予選に挑戦しているのは異例のことだ。

 ふかわの「R-1」参戦は業界内でも話題になっていて、彼をテーマにした特集が組まれた11月19日放送の「証言者バラエティ アンタウォッチマン!」(テレビ朝日系)では、ふかわ自身がその理由を語っていた。

 きっかけとなったのは、ふかわがMCを務めていた「バラいろダンディ」(TOKYO MX)が今年9月に終わってしまったことだった。長年にわたってテレビでMC業を続けてきた彼にとって、この番組の終了は1つの大きな節目のように感じられた。そこで、今まで味わったことのない景色を見るために、再びライブに出て、人前でネタを披露することを決めたのだという。

 90年代中盤、ふかわりょうが世に出てきたときの衝撃はすさまじいものだった。のちに「シュール」と形容されることになる、不思議な世界観の全く新しい形のネタを披露して、それが大反響を巻き起こした。

 当時のふかわの定番ネタは「小心者克服講座」というもの。長髪で白いヘアバンド姿の彼が、ダンスの講師のような設定で、音楽に合わせてダンスをしながら、嫌いな人にダメージを与えるための言葉をつぶやいていく。

 いわゆる「一言ネタ」「あるあるネタ」と呼ばれるようなジャンルのネタではあるのだが、当時はそういうネタ自体が珍しかったし、見せ方も斬新だった。慶應義塾大学出身で顔立ちも整っている彼は「シュールの貴公子」と言われていた。

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