共同通信の誤報で“外交デビュー”が汚された「生稲晃子政務官」が見せた不安な表情

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“誤報”が日韓外交に影響

 しかし、韓国からの来賓はゼロ。理由はすでに報じられている通り、日本国内の報道が影響した面もあるという。

「韓国政府の代表や韓国人遺族が出席する予定でしたが、2022年に生稲氏が靖国神社を参拝していたことを理由に出席をドタキャンしたんです。当時、共同通信は生稲氏が参拝したとの記事を配信。韓国外務省はその報道を引き合いに、今回の対応に至ったとみています」(政治部記者)

 これに対して彼女は、反論はおろか、取材にもなかなか応じず、そのあと視察に訪れた金山の施設でようやく語ったのは、

「靖国神社には参拝していません」。

 結局、彼女のこの発言を受けて共同通信が改めて確認を行ったところ、当時の「参拝報道」は誤報であったことが判明。謝罪した上で、「日韓外交に影響した可能性がある」と、記事が引き起こした事態の深刻さにも言及した。

 生稲氏の意図せぬ「貢献」があるとすれば、この種の「告げ口」的な記事の問題点が改めて浮き彫りになった点だろうか。靖国参拝など近隣国が問題視しそうなことをわざわざ調べて伝える報道については、もうやめるべきだという声は根強い。結果、日韓の友好ムードが損なわれ、新政務官のデビューを汚したとすれば誤報の罪は重いといえるだろう。
 
 参議院選挙に初出馬で当選し、2年後には政務官。キャリアだけを見れば極めて順調な生稲氏だが、自民党への反発はそのまま政務官就任への逆風につながっている。そして、せっかくのデビューは誤報によってケチがついてしまった。石破政権同様、彼女もまた反転攻勢に転じるきっかけはまだ見つかっていない。芸能界を長い間生き抜き、またがんとの闘いにも勝ってきた経験を外交の場で生かせる日は来るのだろうか。

撮影・西村 純

週刊新潮 2024年12月5日号掲載

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