大山悠輔「阪神残留」を決定づけた「裏方さん」とのきずな…“打撃開眼”までの猛練習を支えた影のキーマンとは
またも大型FAで敗れた巨人
ところで、阪神の慰留条件を上回る条件を提示した巨人だが、他球団はこんな反応を見せていた。
「巨人が長期契約を提示してきたところに“本気度”を感じました。今回、大山に提示された5年プラス延長1年というのが本当なら、今オフのFA補強に本腰を入れているんだと思います」(在京球団スタッフ)
長期契約、契約年数の長さこそ、巨人としての“誠意”ということか。たしかに、過去に巨人が4年や5年といった長期年数を提示して獲得したFA選手は大物ばかりだ。
94年の広沢克己(62・5年)を始め、96年・清原和博(57・5年)、99年・江藤智(54・4年)、06年・小笠原道大(51・4年)、11年・杉内俊哉(44・4年)、16年・陽岱鋼(37・5年)、18年・丸佳浩(35・5年)、20年・梶谷隆幸(36・4年)がそうだ。
しかし、近年の巨人はFA交渉で敗れるケースも増えている。昨年オフ、オリックスからFA宣言した山崎福也に4年総額8億円強を提示し、日本ハムに敗れている。それを上回る「5年」を提示し、さらに1年の延長オプションをつけたということは、巨人は「本気で獲りに来た」と他球団は解釈していたが、今回も惨敗。
阿部監督は「やることをやってチャレンジした。本人の意向だろうしね」と述べたが、大山本人から連絡を受けたことを明かし「また敵同士だけど巨人阪神を盛り上げて、野球界を盛り上げていきましょう」と伝えたという。
実現していたら巨人と阪神という、伝統球団間で初のFA移籍となるところだったが、今回は幻に終わった。来季、阪神は球団創設90周年のメモリアルを迎える。「伝統の一戦」がさらなる盛り上がりを見せるのか、注目だ。